何歳頃から始まる? 子どもが感動して泣くようになるキッカケ
2014年10月28日 | よみもの何歳頃から始まる? 子どもが感動して泣くようになるキッカケ

【ママからのご相談】
来年小学生になる娘がいます。いまだにテレビや映画で悲しかったり感動するシーンが出てきても、じっと見ているだけで涙ぐんだりしません。お友達の子どもは同じくらいの歳のときに映画を見て感動して泣いたと聞いたので、うちの子には感情がないのかと不安になることがあります。個人差があるとは思いますが、大体どのくらいで感動泣きをし始めるのでしょうか。
一般的には小学校低学年からですが、焦らず見守りましょう。
ご相談ありがとうございます。ママライターのマフィーです。
私にもご相談者様と同じ年齢の娘がいます。大きくなったようで、まだ幼い娘。母親の悩みや不安って、尽きることがなくて困ったものです。
さて、感動にもシチェーションによってさまざまなケースがありますが、今回はご相談で触れられている、テレビや映画で感動する、ということを念頭に置きたいと思います。
まずは一般的に言われていることからご紹介したいと思います。

感動とはいったい何か
文部科学省の『子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題』では、感動する心の育成が課題として取り上げられているのは、小学校低学年からの学童期です。ですので、純粋に“物事に感動する”という面では、今から養われていく感情なのではないかと思います。
そもそも感動とは、特に喜びや悲しみの感情があらわれている際に“深く物に感じて心を動かすこと”です。また、広島大学大学院の戸梶亜紀彦助教授は自身の論文で、感動するのに必要な条件の一つに『感情移入・共感できること』を挙げています。
ですが、小さい子であればあるほど、テレビの中の人物の気持ちになって考えることはとても難しいのではないかと思います。まさに、個人差があらわれる部分ですよね。
感動で泣くようになったきっかけ
これは一般的な“子どもが感動して泣くこと”に対する見解ですが、ご相談者様が本当に知りたいのは、こういった、「通常ならこのくらい」という目安でしょうか。
私であれば、もっと具体的なことが知りたい、と思います。「世間一般では」「普通なら」が、育児においてどれほどあてにならないか、母親だからこそ痛いくらいに分かっているからです。
では、多少押し付けがましくはありますが、もっと具体的に、私の長女の体験をお話したいと思います。
ご相談者様のお子様と同じ年の、私の娘。同じように、泣けると言われている子ども向け映画などを見ても反応なし。どこか絵空事のような、そんな表情で見ていました。それについて私自身が気にすることはありませんでしたが、ある時期を境に映画やアニメ、絵本、果ては自分の想像などで涙を流すようになりました。
きっかけは、祖父の17回忌。長女にとって、写真にうつっているこの人がもうこの世にいない、という初めての体験です。
死は何か、誰でも死ぬのか、自分も死ぬのか。犬は死ぬのか。昨日食べた魚は死んだのか。人がいなくなるってどういうことなのか。そんな質問を繰り返していたのを、よく覚えています。おそらくではありますが、そのときに、テレビや絵本の中の主人公の心境が、実体験として自分とリンクしていったのではないかと思います。
感動と感情
泣くことだけが、感動したことの表現方法ではありませんし、感動して泣くことだけが、感情ではありません。
怒ること、驚くこと、喜ぶこと、悲しむこと。そういった実体験での多くの感情が、感動するための感情移入につながるのではないかと思います。
今日感動しなかった映画で、明日は感動して泣くかもしれない。いろいろな子ども自身の体験を、今は見守る時期なのでは、と思います。
【参考リンク】
・子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題 | 文部科学省
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●ライター/マフィー(ママライター)