悪いのは妻だ! “家事ハラ”に悩む夫たちの言い分
2014年10月24日 | よみもの悪いのは妻だ! “家事ハラ”に悩む夫たちの言い分

【ママからのご相談】
わが家は8歳の娘、5歳の息子を持つ共働き家庭です。普段から家事はメインで私が行っており休日は主人も手伝ってくれるというスタイルでした。
しかし最近、『家事ハラ』という言葉を覚え、「これはこうしておいてね」と言うだけで、「家事ハラだ、もうやりたくない」と子どものように家事を放棄するようになりました。本当に情けないご相談で恥ずかしいのですが、主人に協力してもらうためにはどのようにしたら良いでしょうか?
家事ハラとは何か? 本質を伝えましょう。
ご相談ありがとうございます。フリーライターの姫乃です。
マスメディアでは日々、新しい言葉が生まれ、ライターとしても言葉の影響力を痛感する内容でした。
『家事ハラ』とは本来、主婦がする家事が過小評価されているという意味で生まれました。しかしながら、現在、家事ハラと言えば、「夫の家事はいつまでたっても“手伝い”としか言われない。手伝ったら文句を言われる」という意味で広く伝わっています。

「やりたくない」は、「褒めてほしい」の裏返し
「子育てよりも旦那育ての方が大変だ」と友人達は口をそろえて言います。そこで友人の旦那様に取材をしてみました。皆様、最初は恥ずかしがって本音を言ってくれませんでしたが、じっくりと話を聞くとぽつりぽつりと本音が……。
『会社では中間管理職で常に相手の顔色をうかがう毎日。仕事は気合いでなんとかなると思っている上司と、効率の良さばかりを考える部下に挟まれ、両者のバランスを上手くとろうと試行錯誤している。経済的にも共働きをしてもらっているという罪悪感がある。だからできる範囲で家事にも協力したいと思っている。しかし、あれはダメ、これはこうだ、と言われるとやる気が削がれる』といった内容でした。
30代~40代は“褒められる機会の少ない世代”なんだとこの取材を通して感じました。「せめて家庭内だけでも褒めてほしい」、そんな心の声の裏返しなのかもしれません。
褒めて伸ばすは子どもだけじゃない!
上記の取材後、奥様方にこの話をしてみました。すると、『キッチンでのルール、洗濯物を畳む際のルールなど専業主婦の間に培われた自分なりのルールが存在し、それを守ってくれないことにストレスを感じていた。しかし、褒めるだけで家事の負担が減るなら褒めるように心掛ける』と口をそろえていました。
家庭内でのご主人の姿しか見ていない。独身のころはバリバリと仕事に邁進する姿を見ていて、ご主人が“中間管理職”と呼ばれる立場にあることを気に留めていなかったと一人の女性が言いました。すると皆様、今までの覇気のある口調から一転、「家では安らいでほしい」「思いやりが足りなかった」と反省の言葉を口に出し始めました。
せめて家では、「あなたの存在に助けられている、ありがとう」と伝えていこう。そんな結論が出た取材でした。
言葉の裏にある想いを聞いてみよう
いかがでしたか?
取材を始めた当初は、「家事をやりたくないがために『家事ハラ』という便利な言葉を知って、面倒なことから逃げているだけなのかな?」と思っていました。しかし、取材を進めるにつれ、30代~40代夫婦の置かれている現状、問題点などが次々と浮かび上がってきました。
共働き世帯が増え続けている現代。親世代のように、「夫は仕事、妻は家庭を守る」という時代から、「夫婦は共に生き延びていくための相棒、戦友」と言った位置付けに変化していることを感じました。
外で何があっても、夫婦間での、「ありがとう」という言葉が何よりの活力になるのだと思います。
【参考文献】
・『家事労働ハラスメント』竹信三恵子・著
【関連コラム】
・家事ができない夫が妻の『家事ハラ』を免れる方法3つ
・子どものお手伝い、やる気を引き出す「ありがとう」の伝え方
・全く家事をしない夫をやる気にさせるテクニック
●ライター/姫乃(新婚ライター)