中高生の健全な“スマホ”との付き合い方とは
2014年10月23日 | よみもの中高生の健全な“スマホ”との付き合い方とは

【ママからのご相談】
中学2年生の娘がいます。クラスのほとんどの子がスマホを持っていると言い、このままでは仲間外れになるとねだってきます。ケータイではなくスマホを持たせると、勉強がおろそかになったりするのでは……と思うと、安易に持たせてよいのか不安です。
スマホやケータイはあくまで道具。使い方のルールを一緒に決めましょう。
ご相談ありがとうございます。娘たちにスマホを持たせたのは高校生になってからだったライターの川中です。
わが家の場合は中学生のころから時間を決め、PCでインターネットに触れさせていましたし、塾通いなどで待ち合わせなどもなかったため、携帯電話(ガラケー)やスマホなど、いわゆるケータイデバイスを持たせる時期を、高校受験が終わってから、と決めていました。しかし、周囲で通塾している子どもが多い地域だったせいか、ケータイデバイスを持たない子どものほうが少なかったようです。

依存性がより高い!? スマートフォン
2013年7月に行われた調査で、中学生のスマホ保有率が42%になったという報道がありました。ガラケーを含めると82%と、まさにケータイデバイスを持たない子どものほうが少なくなっているという現実がうかがえます。
同時に依存率についての調査も行われています。高校生も含め30%の生徒が“高依存”と判定されており、そのうち82%がスマホ利用者だったという結果が出ています。ご心配されている通り、いわゆるガラケーに比べてスマホ利用者のほうが、依存性が高いようです。
付き合わないわけにはいかないケータイデバイス
とはいえ、これから社会に出るためには、スマホ程度は使いこなせなければ話になりません。会社で支給され、四苦八苦されているお父さんもいるのではないでしょうか。最近では学校の連絡網や緊急連絡でもメールを使う学校や自治体が増えているため、親も子どもも避けることはできないはずです。
インターネットもスマホもあくまで“道具”です。緊急時や帰宅時間の連絡、なかなか会えない友達とのコミュニケーション、勉強の調べものなど、使えば安心や便利を提供してくれるものでもあります。スマホは便利に使いこなしてこそ意味のあるもので、その道具に振り回されないよう、訓練する必要があります。
持つ前に“わが家ルール”を決めて徹底しよう
大人でも子どもでも関係なく、誰でもそうだと思うのですが、新しく、そして楽しい世界を初めて知れば、夢中になりやすくなるものです。学生のころ、友達との長電話が楽しかった方であれば記憶に残っていると思いますが、電話料金がかかるので怒られたのではないでしょうか? しかし、LINEなどを使えば無料でいくらでも通話できるようになったので、その切り札もあまり使えなくなりました。
制約がない分、大人でも子どもでも、自分で律するしかありません。スマホを持たす前に親子でよく話し合い、フィルタリングや使っていいTPOから時間、使う範囲を決めてみてはいかがでしょうか。おそらく最初から100%ルールを守ることはできないと思うので、「守れなかったときはどうするか」までしっかり話し合いましょう。
自分で決めさせたルールであれば、押しつけにはなりませんし、子どもも納得しやすいはずです。わが家では、本人と話し合ったうえで、持ち始めたばかりのころ、23時以降は緊急連絡の通話以外できなくするなどの処置を行うアプリを入れたこともありました。
ただし、しっかり話し合うためには親もリテラシーが必要になります。少し大変かもしれませんが、自分自身がスマホの利点と欠点を知り、それを伝えながら一緒に解決策を考え、話し合うことをお勧めします。
【参考文献】
・学校経営 CS研レポートバックナンバー Vol.63『子どもを取り巻く環境 必要なのは、自ら考える姿勢――子どものケータイ、インターネット利用をめぐって――』中央大学教授 松田美佐・著
【関連コラム】
・中学生の我が子にスマホを持たせるべきか悩む親たちの葛藤
・子供にスマホを持たせる前に親がすべきこと4つ
・「スマホ18の約束」に学ぶ、子どもにスマホを持たせる親の心得
●ライター/川中利恵(在宅ワーカー)