余計な一言をガマン! 子どものヤル気を引き出す褒め方
2014年10月22日 | よみもの余計な一言をガマン! 子どものヤル気を引き出す褒め方

【ママからのご相談】
言葉かけの相談をさせてください。小1の娘と5歳の息子がいるのですが、どうもうまく褒めることができません。「やればできるんだから、いつもやってよね」と言ってしまいます。そのせいか、子どものやる気を削いでいるようで悩んでいます。
普通にできたことを褒めて、余計な一言を言わないようにしましょう。
こんにちは。メンタルケア心理士の桜井涼です。ご相談ありがとうございます。
私も相談者様と同じように、「やればできるんだから、いつもやってよね」と言ってしまうことはあります。特にイライラしているときは、自分でもダメだとわかっていながら、つい発してしまい、後悔を募らせてしまいます。ですから、余計なことを言わないように努力が必要であると考えています。
その一言を我慢しただけで、子どもが喜び、やる気を引き出してあげることができるのであれば、こんなに良いことはありませんよね。

できて当たり前と思わないようにする
親は、子どもに高いレベルを求めてしまう傾向にあります。それで“できて当たり前”と、思ってしまうのです。でも、実際はそうではないことが多いためイライラしてしまったり、「どうしてできないの!」と声を荒げてしまうことがあります。
思い出してください。初めてお子さんが歩いたとき、“できて当たり前”と思いましたか? そんなことはないはずです。拍手して、「すごいね~」と褒めたのではないでしょうか。親がさまざまなことを教え、できるようになることと、ある程度成長するまではこのときの気持ちで接してあげることが大切ではないでしょうか。
子どもですから“できて当たり前”なんてことはありません。お手伝いをしてくれたこと、自ら片付けをしたこと、箸が上手に持てたことなど、見たままを褒めるだけでいいのです。
他人との比較はNGと心得よう
「○○ちゃんは、こんなことができるんだって」この言葉もよく耳にします。自分の子と他人の子を同一視してはいけません。比較することは子どもの心を深く傷つけます。私も親に1度だけ言われて、「私は何にもできない子なんだ」と悲しくなったのを覚えています。こんな思いを自分の子どもにさせたくないですよね。
よくあるのが子どもが、がんばって何かしたことを褒めてあげると同時に、「○○君はこんなこともできるんだよ!」と余計な一言を言ってしまうことです。これでは頑張っても意味がないと子どもに感じさせてしまいます。こんなときは、頑張れたことだけを褒めてあげるだけに留めましょう。親もその方が楽です。
比較をするのであれば、子どもの今と過去にしましょう。そうすれば、できることが増えたことがわかると思います。
スキンシップをプラスさせると褒め言葉だけで済む
とあるスイミングスクールのコーチがバタ足ができた子どもに褒め言葉と一緒に、ハイタッチをしていました。このときの子どものキラキラした瞳は今でも心に残っています。
先日、いつもは言ってもやらないのに、たまたま言われなくても食器を下げてくれた息子(小4)に、「ありがとう」の言葉とハイタッチをしたところ、照れてはいましたが嬉しそうにしていました。
「毎日やってくれたら助かるのに」と口から出そうになりました。しかし、出てきた言葉を飲み込みました。できたことに対して、褒め言葉と一緒にスキンシップをプラスさせることで、余計な言葉を言わなくて済んだことは事実です。
余計なことを言いそうになったら、ハグやハイタッチなどのスキンシップを取り入れてみましょう。
先日、ABA(応用行動分析)について書かれていた書籍を読み、ハッとさせられました。発達障害を持つ子どもに実践する内容でしたが、読んでいくにつれ、どんな子どもにも褒めることの重要性を感じました。発達障害を持っていない子でも、褒めることは発育過程で大事なものです。
それに親子関係を豊かにするためには、とても重要なものであると再確認しました。この書籍のおかげで、褒めることの原点を再確認することができたように感じます。
子どもは、お母さんに褒められることが何より嬉しいです(実際に、この歳になっても私自身がそうですから)。それをたくさんたくさん経験させてあげるために、スキンシップと褒め言葉で母親をしてみましょう。
【参考文献】
・『発達障害の子どもを伸ばす 魔法の言葉かけ』shizu・著
●ライター/桜井涼(メンタルケア心理士)