家では話すのに学校で無口な子供は「場面緘黙症」の可能性アリ?
2014年10月20日 | よみもの家では話すのに学校で無口な子供は「場面緘黙症」の可能性アリ?

【ママからのご相談】
8歳の息子のママです。息子は幼稚園のころからとても大人しく、あまりお友達とも仲良くならないまま小学生になりました。小学校でも性格は治らず、学校ではめったにしゃべることはないと先生に言われました。
家の中では家族と楽しそうにしゃべるのに学校では全く話さないとあり、とても心配です。ただ社交性がないだけでしょうか? これからもずっと同じような状況だと心配になります。
『場面緘黙症』は幼児期に発症するようです。
ご相談ありがとうございます。ママライターのみいゆです。
子どもの性格はさまざまで、活発過ぎたり大人し過ぎたり、親としては心配が尽きないものです。
今回紹介したいのは、子どもの『場面緘黙症(ばめんかんもくしょう)』という症状についてです。あまり聞いたことがない方もいらっしゃるかもしれませんが、だんだんこの症状も知られるようになりました。

場面緘黙症とは
みなさんが学生のころ、クラスに1人ほどとても大人しい子がいませんでしたか? 自分からはほとんど話すことはなく、話し掛けられてもうなずくだけだったり休み時間もじっと席に座っていたり。
実は筆者自身がこの”1人”でした。自分が『場面緘黙症』だったことに気づいたのはほんの2、3年前です。それまでは幼稚園時代から苦しい学生時代、また社会人になってもこの症状に悩まされることになります。
その場面緘黙症は、ほとんどが幼児のころに発症するようです。
場面緘黙症の特徴
・家では普通に話すことができるが、学校のように別の場所では話すことができない
・学校などで自由に動き回ることができない(トイレに行けないなど)
・他人との交流を避けたがり、無表情
このように、話すことに対して不安や恐怖を抱いている心理障害のことを指します。あまり知られていないため他の障害と混合されがちです。
ただ大人しいだけではなく、こういった子どもの場合“話さない”のではなく“話せない”ということにあります。その診断基準は“特定の状況で話せない”ことが1か月以上続けば、場面緘黙症との診断となることが多いようです。
どうすれば治るの?
ほとんどの子どもが自然に治るということが多いようですが、私のように大人になっても後遺症が残る場合もあるようですから、「うちの子はもしかしたら」と思われる症状があれば早期に医療機関に相談すると良いでしょう。
『かんもくネット』の代表である臨床心理士の角田圭子さんは、『日本ではまだまだ場面緘黙症についての認知度が低く、誤解もあることから教育現場では十分な理解が得られていない』と語っています。
事実、その周りの理解不足から“しゃべらない”ことでいじめにあって学校へ行くことができなくなる子どももいます。大事なのは親と学校の先生が連携して、子どもが一番学校内でリラックスできる状況を作ってあげることです。
それが次第に子どもの自信につながれば、いずれ改善されていく可能性があるようです。
「なぜしゃべらないの?」「暗いね」「無口だね」これらの言葉は私自身もたくさん言われてきました。自分が変人なのではないか? と何度も悩みました。
重要なのは親が子どもの症状にいち早く気づき、対処することです。場面緘黙症は誰のせいでもありません。これも個性だと、周りから理解を得てサポートできる体制が取れるといいですね。
【参考リンク】
・場面緘黙とは | かんもくネット
●ライター/みいゆ(ママライター)