ムズかしい時期! 思春期の子どもとうまく付き合うスタンス4つ
2014年10月16日 | よみものムズかしい時期! 思春期の子どもとうまく付き合うスタンス4つ

【ママからのご相談】
小学6年生の娘が、そろそろ思春期に入ったようで、学校のことをあまり話さなくなり、反抗的になりました。いくら言っても言うことを聞いてくれず、このままだといわゆる問題児になってしまいそうですし、生活リズムも崩れ始めているのでとても心配です。親としてどう対処すればよいでしょうか?
生きる力をつける時期。
ご相談ありがとうございます。思春期の子どもとのやり取りをできるだけ楽しみたい、ライターの川中利恵です。
自分自身が思春期だったころ、意味がなくイライラしたり、自分の居場所がないような気がして、もがいたりした経験はありませんか? そんなことは一切なかった、という方もいるかもしれません。
しかし、一般的に思春期は、心も体も子どもから大人へ移り変わってゆく、不安定でありながら大切な時期です。危なっかしく心配で、つい口や手を出したくなりますが、自分自身で問題を解決できないと、自分に対する自信を失い、大人になるまで引きずることになるかもしれません。

思春期の子どもとうまく付き合う親のスタンス4つ
個人心理学の第一人者であるアドラー博士が創始した『アドラー心理学』に基づき、親子関係の対処法を提唱する星一郎氏は、著書で親子の在り方を次のように説いています。
(1)子どもをあたたかく見守る
ほとんどのママが、わが子を第一に考え、育ててきたのではないかと思います。しかし、人間だれしも完璧ではないので、つい“理想の子ども”の枠に当てはめてわが子のことを考えてしまいがちです。とはいっても急に性格が変わる子どもはいないはずで、少しずつ変化の前兆があるものではないでしょうか。
やった方がいいことや気になる点ばかり見ていませんか? 子ども自身がそれらをどう捉え、どう考えているのか。問いかけてみてもいいかもしれません。
(2)子どもの“今”を認め、よき理解者になる
思春期から、子どもの第一の相談者が親ではなくなることはごく自然のことです。むしろ、思春期を過ぎても家族以外の世界がない子どものほうが問題かもしれません。
ついつい“親から見た”問題点を指摘したくなりますが、本人も努力しての結果かもしれません。批判するのは簡単です。知らず知らず親が高望みをしていることも多々あるでしょう。
普段は子どもの話に耳を傾けて親の知らない世界について聞き、アドバイスを求められたら意見を言う、というスタンスに変更してみませんか。
(3)冷静な情報提供者になり、最終決定権は子どもに委ねる
ただ話を聞くだけでは親ではない、と思うかもしれません。親の役目は子どもを社会に送り出すことなので、社会人の先輩として、意見を求められたら答えることは必要です。しかし、冷静な意見や情報を伝えることと、自らの意見に従わせようとすることは、まったく別の話です。
もし親から見て“困った行動”を子どもがしているのであれば、それを続けることによる不利益を伝えるだけにとどめ、それによってどう行動するかは自分で決めさせてみませんか。自分の人生を決めるのは、親ではなく子どもなのです。
(4)子どもの仲間となり、共に成長する
子ども自身が自分の意見を積極的に言えるようにするためにも、親自身も、自分の意見を伝えておくことは大切です。とはいえ、意見の共有を強制し、子どもの意見を批判し続けていれば、子どもは自身の価値観を語らなくなるので注意してください。
仲間になる、というのは、何でも許して受け入れるということではありません。ダメなことはダメ、できないことはできないと線引きすることも必要ですし、そうせざる得ないこともあるでしょう。親も人間であり、万能ではないので、わからないことを子どもに相談してみてもいいかもしれません。
私もわが子に対してひやひやすることがたくさんあります。このままでは失敗してしまうのではないかと心配することもあるでしょう。しかし、学生のうちの失敗は、社会に出てからの失敗に比べ、いくらでもリカバーできることのほうが多いはずですし、人は失敗からでなければ学べないことも多々あります。
「育児は育自」という言葉通り、一緒に解決方法を考え、試してみることは、子どもだけでなく、私たち親自身の成長にもつながるのではないでしょうか。
【参考文献】
・『アドラー博士の子どものピンチを見抜く法』星一郎・著
【関連コラム】
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●ライター/川中利恵(在宅ワーカー)