すぐ諦める子供に“レジリエンス”を身につけさせる方法
2014年10月16日 | よみものすぐ諦める子供に“レジリエンス”を身につけさせる方法

【ママからのご相談】
こんにちは。私には小学3年生の息子がいるのですが、少しできないことがあるとすぐに挫折し、諦めてしまいます。友達と遊んでいても、ちょっとした口ゲンカで遊ぶのをやめてしまったり、自分ができないだろうと思ったことには全く参加しないなどということがあるようです。もっと、考えが柔軟で忍耐力、チャレンジ精神のある子に育ってほしいと思っているのですが、一体どうすればよいのでしょうか。
困難を一緒に乗り越える経験を!
ご相談ありがとうございます。ママライターのアンジです。
親として、子どもに諦めぐせがあると心配になってしまうものですよね。
ひと昔前までは、小さいころから外でたくさんの人と関わることで問題を解決する力を自然と身に着けていたと言われていますが、近年では、お外遊びが制限され、子どもだけではなく大人にも挫折しやすいマイナス思考の人が増えていると言われるようになりました。思考が鍛えられないまま大人になってしまうんですね。
そんな思考に相反するものとして最近、『レジリエンス』という言葉、概念がクローズアップされるようになりました。
レジリエンスとは、一般的に、復元力、回復力、弾力と訳される言葉で、「困難な事柄にしなやかに対応し、生きる力」という心理学的な意味でも使われています。まさに、親が子どもに持ってほしい力ですよね。
では、そんなレジリエンスを鍛えるため、親は一体なにができるのでしょうか。

困難を乗り越える経験
レジリエンスを鍛えるということは、困難を乗り越える力を鍛えるということです。
親の心理としては、できれば苦労をさせず、つらいこと全てから守りたいと思ってしまうものですが、大事なのは苦労を共にすること。
例えば、体力的につらいスポーツなどを一緒に最後まで頑張る、応援するなど、最後までやりきったという経験を共にすることで子どもは自信を持ち、困難に打ち勝つ力を身につけていけるようなのです。
一人で経験していると、つらいことを抱えこんでしまいがちになってしまいます。まずは、共有することで乗り越えていける困難があることを、たくさんの経験から教えてあげましょう。
ポジティブな声掛け
レジリエンスには、小さなことで一喜一憂しない“感情のコントロール”、自分を大切に思う“自尊感情”、自分が成長していると感じることができる“自己効力感”が必要だとされていますが、自分にはいつかできるだろうという“楽観性”も重要だと考えられています。
そこで大事なのが、「きっとできる」という楽観的でポジティブな声かけです。
子どもは、挫折しそうになったとき、親の、「大丈夫」「できるようになる」という声かけで、「そうかもしれない」と思えるようになります。また、過去に親がぶち当たり克服した話なども、「パパ、ママも大変なことを乗り越えてきたんだ」と楽観視し、落ち着いて困難に打ち勝つ方法を考えることができるようになる要素になりますので、ポジティブな言葉と共に、自分の経験談などもたくさん話をしてあげましょう。
諦めることも認めてあげる
諦めない強い気持ちは大事です。しかし、どうしてもできず、諦めてしまうこともありますよね。
そんなときには責めることはせず、認めてあげることも大事です。先ほどもご紹介したように、レジリエンスには楽観性も必要です。
親が認めてあげることで、子どもも一つの失敗に捕らわれず、前向きに考えられるようになりますので、「この挫折も必要だった」「この失敗も経験の一つだった」と、しっかりと子どもの選択を認めてあげる意思を示してあげましょう。
必要なのは、何にも負けない鋼のような強い心ではなく、失敗しても、落ち込んでも、それを乗り越え立ち向かっていける勇気です。
その勇気を育てるため、まずは、「なにがあってもパパママがいる」という安心感を植え付けてあげることが大事なのではないかと思います。
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●ライター/アンジ(ママライター)