計算問題が苦手な子供に克服させる方法
2014年10月8日 | よみもの計算問題が苦手な子供に克服させる方法

【ママからのご相談】
小2の息子を持つ母親です。未だに計算が苦手でスピードも遅く、1桁の足し算でも手を使って計算しています。塾に通わせるかどうか迷っているのですが、その前に何かコツとなるものがあればと思い、相談させていただきました。
ポイントを抑えれば、おうちでも必ずできるようになります。
こんにちは。以前に塾講師をしていたメンタルケア心理士の桜井涼です。ご相談ありがとうございます。
手を使って計算をしてしまうことの理由の1つに、計算の練習が不足していることが挙げられます。中には、1年生のときのクセが抜けきらないという場合も考えられますが、計算のスピードが遅いということですので、前者の理由の方が強いかと思われます。
こういったお子様の場合は、ちょっとしたコツで格段にスピードがアップしたり、手を使わなくてもできるようになったりします。
実際に同じようなケースを数多く指導したことがありますので、そのあたりについてお話ししたいと思います。

ちょっと前に戻って簡単なところから学習させましょう
計算が苦手な子にとって、計算問題は苦痛以外の何物でもありません。ですから、簡単にできる計算問題に戻って勉強をスタートさせることが大事です。
小学2年生ということですので、もう2桁の足し算や引き算を学んでいることと思いますが、この分野で手を使っているのでしたら、1桁の足し算(10までの数)まで戻って復習するのがいいでしょう。それこそ、「1+1=2」のあたりです。答えの数が10以上にならないところの計算をさせて、数がどう変化するのかを思い出させるのです。
手を使って計算をしてしまう子どもたちに共通しているのが、この段階の計算の練習量が不足していることです。親の目線から見ると、「こんな簡単なところ!?」と驚かれるかもしれませんが、ここが計算の一番の基本です。ですから、ここからのスタートが必要なのです。
簡単なところからのスタートで自信をつけさせ、褒める
簡単なところですので、スラスラと解ける場合が多いです。ですから時間を計りながら解かせてみてください。
最初はほとんどが手を使って計算をしてしまいます。でも、この段階では注意しないで見守って褒めてあげる方が効果的です。
ここでは、褒めることがポイントになります。
・時間内にできたら褒める
・答えの数字がきれいに書けたら褒める(最初に字をきれいに書くように言っておきます)
・間違いがあっても、「もう少しで100点取れるね」と励ます
・満点だったらハイタッチをするくらい褒める
問題の直しまでできたら音読をします。この音読がとても大切です。解いた問題を自分で声に出して読むことで耳と目からも理解することができます。“読んで理解する”力を活用させましょう。
次のステップに上がるポイントは?
計算は繰り返し練習が大切で、最初はゆっくり解かせてもかまいません。次第にスピードアップして、制限時間内にきれいな文字で満点が取れるようになります。この状態が10回続くようになるころには、手を使うことがほとんどなくなってくるはずです。そうなれば、次の段階に上がりましょう。
次は、1桁の引き算(10までの数)です。基準は小学校の教科書の通り進んでいくことでしっかりとした復習ができたことになります。
手で計算をしてしまう子たちは、繰り返し計算することが少なかったことが原因であることが多いです。私が指導していた子どもたちもそうでした。それに褒められることが少なかったということも当てはまっています。
“繰り返し学習”“褒める”をセットにすることで、変わってくると思います。簡単なところを再度学ばせることで、自信とやり方の再確認ができ、褒められることで認められたという自己評価が上がります。ここを大事にしてあげましょう。
この復習の段階で、決して言ってはいけないことがあります。
・「こんな簡単なところはできて当たり前」
・「時間内にできないとダメだからね」
・「早くやらないとみんなについていけなくなるよ!」
このような言葉をかけてしまっては、逆効果です。手を使わないでできるようになることが目的ですから、お母様には少しだけ我慢をお願いすることになります。
●ライター/桜井涼(メンタルケア心理士)