冷凍食品や加工食品の多用が子供に与える影響とは
2014年10月2日 | よみもの冷凍食品や加工食品の多用が子供に与える影響とは

【ママからのご相談】
最近、ママ友が食育に興味を持つようになり、一緒に買い物に行くとき、私が冷凍食品やレトルトを買おうとすると止められたり、「ちゃんと裏面を見て買わないと!」とうるさく言われたりします。正直、時短最優先の私には迷惑な話ですが、冷凍食品ってそんなに悪いものなんですか?
子育ての手間は帳尻が合うようになっている!?
こんにちは。心理食育インストラクターのSAYURIです。ご相談ありがとうございます。
さて、時短最優先とのことですが、家事の時短をすることで生まれる時間の余裕を何に使っているのでしょうか? 自分磨き? 友達と遊ぶ?
「子育て中は髪を振り乱し、メイクもせず、友達と遊ぶなんぞもってのほか!」とは言いませんが、実は子育ての手間というものは、成人までという長いスパンで見ると、案外、帳尻が合うようになっているように思います。

冷凍食品や加工食品の多用が子どもに与える影響
添加物など成分的なことは過去の記事『「○○の素」を使い過ぎた料理に要注意すべきワケ』『カルシウム不足だけじゃない!? 子供がキレる原因3つ』を参考にしていただきたいと思いますが、最近、魚食クライシスと同様、問題視されているのが食卓クライシス。
要は食卓の危機ということですが、これは食品の安全性の問題という観点から見る危機と、“家庭”“家族関係”という観点からも危機があるといわれています。
日本は添加物規制に関しては遅れている
このところ、中国産食品の問題がよく取りざたされていますが、実は農薬や添加物の規制に関して日本もかなり遅れているのが実状です。
欧米では10年以上前に使用が禁止されている薬品が、なぜか日本では今でも使われています。
また、他国が使用禁止とまでいかなくとも、使用規制がかかっているもの、表示義務が課せられているものの多くも、日本では当たり前のように使われているのです。
そういったものが多く含まれているのが、冷凍食品や加工食品であるということだけは、頭の片隅に置いておいた方がいいと思います。
もう一つの食卓クライシス
仕事をしながら家事に子育てに、本当に忙しいママが増えています。
「子どもと過ごす時間を作りたいけど……」と多くのママは思いつつも、なかなかそれが実現できていない。
私も専業主婦の経験はほとんどないので、そんなママの気持ちは分かるつもりではいますが、忙しいママが作り出すのがもう一つの食卓クライシス。
心理学的に見ると、小さいころ手のかからなかった子どもは、自分の、「甘えたい」「かまってほしい」という気持ちを強く抑えています。
そんな子どもたちが中学、高校と成長していくと、幼いころの欲求が満たされないままなので、時に、問題行動を起こすことで親の注意を自分に向けようとします。また、「どうせ何をしても自分はかまってもらえない」と無気力になってしまう傾向があります。
実際に、高校で問題行動や引きこもりが原因となって退学した生徒の家庭訪問を続けている、とある校長先生にお話を聞く機会があったのですが、そうした生徒の家庭を訪問すると必ずあるのが、カップ麺やコンビニ弁当、加工食品、そして、ペットボトル飲料だったそうです。
食卓で、ママの愛情がこもった食事を一緒に食べることは、たかが食事時間ではありません。1日3回、1年では1095回、1回の食事時間が20分だと考えても、年間365時間にも及ぶ時間の過ごし方が子ども達に与える影響は、決して小さくないと思います。
大きくなった子どもの大きな問題に時間を取られるよりも、小さな子どもに時間を割いてあげた方が、子どもにもママにも幸せなのではないでしょうか。
【関連コラム】
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・カルシウム不足だけじゃない!? 子供がキレる原因3つ
・肉食化する日本人の食生活と「魚食クライシス」の現状
●ライター/SAYURI(心理食育インストラクター)