母親が親権者となった時、離婚後の子供の「名字」と「戸籍」の決め方
2014年9月26日 | よみもの母親が親権者となった時、離婚後の子供の「名字」と「戸籍」の決め方

【ママからのご相談】
現在、離婚を考えていて、旦那と話し合いをしています。なかでも心配なのは、離婚後の子どもの名字です。離婚後は私と一緒に暮らす予定なので名字が変わると学校でのいじめなども気になりますし……。何かいいアドバイスがあれば教えてください。
じっくり考えて決めましょう。
ご相談ありがとうございます。アディーレ法律事務所弁護士の島田さくらです。
離婚を考えるとき、やはり気になるのは子どもへの影響ですよね。
今まで使ってきた名字がいいのか、母親と同じ名字がいいのか、戸籍はどうなるのか、親権との関係はどうなるのか……。
今回は、夫の戸籍に入っていた妻が親権者となり、子どもを連れて離婚をするというケースについてご説明します。

お母さんの名字と戸籍
離婚した場合、妻の名字は結婚前のもの(旧姓)に戻ります(民法767条1項)。
ただし、離婚の日から3か月以内に役所に届け出をすれば、婚姻中の名字のままでいることも可能です(767条2項)。
婚姻中の名字を使い続けた方が何かと便利だというときには、この方法を使ってみるといいかもしれません。
離婚をして夫の籍を抜けた場合、妻は元の戸籍(実家の戸籍)に戻ることもできますし、新しく自分の戸籍を作ることもできます。
ただし、戸籍には親・子二代までしか記載できないというルールになっているので、子どもを自分の戸籍に入れたいのであれば、新しく戸籍を作ることになります。
子どもの名字と戸籍
両親が離婚して、お母さんが親権者となった場合、自動的にお母さんの戸籍に入ってお母さんの選んだ名字になりそうな気がしますよね。
しかし、そうではないんです。両親が離婚して親権者がお母さんになっても、子どもの戸籍はお父さんのところにそのまま残り、そこに親権者が母である旨が書かれるだけです。
こうなってしまうと、たとえば、お母さんが離婚して旧姓になったとしても、子どもは夫の名字のまま、夫の戸籍に入ったままということになります。
子どもを自分(母親)の戸籍に入れたいのであれば、家庭裁判所に『子の氏の変更許可申立』をして、その後、役所に届け出る必要があります。
この場合、お母さんの名字は婚姻中の名字でもいいですし、旧姓でもいいのです。
周りの意見も聞いて検討
自分(母親)としては夫の名字を使いたくないけど、子どもは今のままがいいと言っているし、でも、一緒に暮らす母と子が別の名字というのも気になるし……、などなど悩みは尽きないもの。
職場や学校に相談してみて、通称として従前の名字を使えないか相談するのも、一つの手です。
じっくり検討して、後悔のない選択をしてくださいね。
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