肉食化する日本人の食生活と「魚食クライシス」の現状
2014年9月25日 | よみもの肉食化する日本人の食生活と「魚食クライシス」の現状

【パパからのご相談】
2人目の子どもが生まれてから、妻があまり魚料理を作ってくれなくなりました。以前は週に1回か2回くらいは魚が出ていたのですが、今は月に1回くらいです。「高いし、めんどくさい」というのが理由のようですが、子どものためにも魚は食べさせた方がいいんですよね?
栄養面だけでない。魚食のメリット!
こんにちは。心理食育インストラクターのSAYURIです。ご相談ありがとうございます。
お魚の煮付けなどはまさに“おふくろの味”で好きな男性も多いようですね。
もちろん栄養面でもタンパク質だけでなく、EPAやDHAといった、細胞が正常に機能するためには欠かせないオメガ3脂肪酸も含まれ、日本食が世界から健康的だと注目を集めている要因の1つでもあります。
その一方で、今年の6月、ニホンウナギがIUCN(国際自然保護連合)でレッドリストの絶滅危惧種へと指定されてから、よく耳にするようになった『魚食クライシス』という言葉があります。
今回はその辺りから、家庭での魚食を増やすメリットをご紹介したいと思います。

魚食クライシスってなに?
女性であれば“クライシス”といえば『産後クライシス』を思い浮かべる人が多いと思いますが、そもそもクライシスとは病気の危機的峠を意味し、それが経済危機状態を示すようになり、今では広い意味で“危機”を示す言葉として使われています。
すなわち『魚食クライシス』とは魚食の危機を意味します。
日本人の魚離れ
水産庁によると、日本における1人あたりの食用魚介類ども給量(年)は、2007年で56.9kg。これは人口100万人以上の国の中でトップです。
しかし、厚生労働省の調査によると、近年における国民1人1日あたりの魚介類の摂取量は減少しています。
1997年には1人1日98.2gだったのが、2009年には74.2gとなりました。そして2006年には、初めて肉の摂取量が魚の摂取量を超える、という現象が起きています。
その理由として挙げられる主婦の意見は、「調理が面倒」「骨などゴミが多くて嫌」「子どもがうまく食べられなくて手間がかかる」というものが多いです。
魚食のメリット
(1)高たんぱく・低脂肪
しかも、冒頭で述べたように、人体にとって魚の油は必須である上、鯖やイワシなどの青魚に多く含まれるEPAやDHAは、アトピー性皮膚炎などのアレルギーの改善や、善玉コレステロールと悪玉コレステロールのバランスを取ってくれたり、痩身効果もあったりすると言われています。
(2)子どもの箸使いが上達する
骨付きの魚を食べるにはお箸をうまく使わなければなりません。
箸を正しく持ち、うまく使うというトレーニングは、脳の発達にもとてもいい影響があるので、そのような側面から考えても魚料理は増やしたいものですね。
(3)食卓での会話が増える
上記のように、うまく箸を使えない子どもに箸の使い方を教えたりすることで、食卓での家族のコミュニケーションが増えます。
食卓での家族のコミュニケーションは、子どもにとって大切なコミュニケーション能力発達の場所。テレビを見ながらでは食べられない、魚だからこそのメリットでもあります。
「面倒だ」という奥様が楽しめるように、女性がピン! とくる痩身効果の話したり、子どもの話題をもとにしたりして、魚料理を増やしてもらえるよう提案されてはいかがでしょうか?
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●ライター/SAYURI(心理食育インストラクター)