主婦がいつの間にか「アルコール依存症」になってしまう理由
2014年9月24日 | よみもの主婦がいつの間にか「アルコール依存症」になってしまう理由

【パパからのご相談】
妻(30代)がいつも食事の支度をしながら酒を飲んでいるようです。先日、ゴミ出しのときに気がついたのですが、酒の空き缶が大量にあり、子どもたちに聞いてみたところ毎日飲んでいるとのことでした。これはアルコール依存症の始まりでしょうか?
キッチンドランカーはアルコール依存症の1つと言えます。
こんにちは。友人がキッチンドランカーになってしまったことで心理学を学びだしたメンタルケア心理士の桜井涼です。ご相談ありがとうございます。
『キッチンドランカー』は主婦に多く、「お酒を飲みながら料理をしているだけ」と捉えられがちですが、アルコール依存症の1つであると言えます。
相談者様の奥様も毎日飲んでいるようですので、依存症の可能性が高いでしょう。アルコール依存症は、その背景に心の問題を抱えていることがほとんどです。
従って、夫婦や家族で一緒に解決していくことがとても大切になってきます。

女性は「キッチンドランカー」になりやすい!?
女性の場合は、子どもが乳離れをしてしまうとお酒を飲んでも大丈夫と考えます。
しかも料理を作りながら飲むことで、できたての料理をつまむこともできますから、都合が良いと思ってしまうのでしょう。特に専業主婦で年齢が高くなるほど、キッチンドランカーは多くなります。
また、仕事を持っている主婦でも子どもが家にいると飲みに出歩いたりすることができませんし、ストレスを抱えていても男性のように外で発散することができないため、自宅で飲んでしまうのが現状です。夫婦で晩酌をしている場合は、そう問題ではありません。
アルコール依存症の1つであるキッチンドランカーは、手軽に始めることができるため、「いつでもやめられる」という落とし穴にはまりやすいです。そのため、女性がなりやすいと言われています。
原因は心の問題
アルコール依存症になってしまう原因は、心にあります。
女性に多い『キッチンドランカー』の心理背景には、寂しさや夫婦間の問題などのさまざまなストレスが隠れています。
専業主婦の場合、日中の家事や育児、近所付き合いなどがありますし、仕事を持っている主婦の場合は、日中仕事をして、帰ってから家事と育児をこなします。こうなると1日の中で話し相手となる人はほとんどいません。
「ママ友がいるのでは」と男性は思ってしまうでしょう。
しかし、ここでいう話し相手とは“自分を女性として扱ってくれる男性”のことです。結婚して家族になったら子どもの母親という目線で見てしまう男性も多いのではないでしょうか。話を聞いてくれたり、女性扱いをしてもらえないことは本当につらいと感じます。
周囲との人間関係や夫婦関係、子どもの問題など自分では解決しがたいと感じたときに、夫ではなくお酒で気分を晴らそうとしてしまうのです。
キッチンドランカーをどう改善させる?
キッチンドランカーを改善させるためには、断酒が一番の方法です。しかし、いきなりやめさせるのは難しいですし、本人がアルコール依存症だと認めないでしょう。
心の寂しさを埋めてあげるなど、“メンタル的な面から安定を図ってあげる”ことが良いです。
孤独を抱えていることも多いですので、コミュニケーションとスキンシップをすることから始めるのが効果的ではないでしょうか。また、非日常を体験させてあげることも効果があります(旅行や2人きりでのデートなど)。
叱ったり、無理にやめさせようとしてもまったく効果はありません。それどころか症状を悪化させてしまうことになりますので、その点だけは注意しましょう。
“寂しさ”は、心を病ませます。
子どもがいれば新婚当初のような関係を持続させるのは難しいでしょう。でも、子どもが寝てから2人の時間を作ることで、かつての関係に近づけることはできるはずです。
家事・育児・仕事と頑張っている妻に寂しい思いをさせないようにすることがキッチンドランカーから抜けさせる方法になります。
家族を養うために仕事をしている相談者様を初めとして、夫の方は、大変かもしれませんが、コミュニケーションとスキンシップを大切にしてあげてくださいね。
【参考リンク】
・みんなのメンタルヘルス「アルコール依存症」| 厚生労働省
●ライター/桜井涼(メンタルケア心理士)