夫も産後うつに!?「パタニティブルー」の3つの理由と解決策
2014年9月18日 | よみもの夫も産後うつに!?「パタニティブルー」の3つの理由と解決策

【ママからのご相談】
先月出産をしました。初めての育児でバタバタしていますが、最近ちょっとパパの様子がおかしいのです。ひどく落ち込んで見えることもあります。もうすぐパパも育児休暇をとる予定なのですが、少し心配です。どうしたら良いのでしょうか。
大切なのはコミュニケーション。夫婦時間と“じぶん時間”で解決を。
ご相談ありがとうございます。ライターの川中利恵です。
まずはご出産おめでとうございます! 嬉しくも大変な日々がスタートしていることと思います。それとは別にパパの様子がおかしいとのこと。とても心配になりますよね。
産後、ママが育児ブルーになった話はよく聞きます。一般的にホルモンバランスや環境の変化による、いわゆるマタニティブルーです。
しかしその一方で、パパも育児ブルーになることがあることを、ご存じでしょうか?

パタニティブルーってなんだろう?
パパの産後うつ『パタニティブルー』は、最近注目を浴び始めました。
わが子の誕生後、幸せなはずなのに、睡眠障害や頭痛、肩こり、口の渇き、胃痛などの身体症状が出て、かつ不安やうつ状態に陥り、苦しむパパが増えているのです。
比率としてはマタニティブルーよりは少ない10%前後と言われていますが、イクメンブームが盛り上がるにつれ、増加しつつあると言われているのです。
パパが陥る3つのジレンマ
そんなことを言われても、パパは“産後”じゃないよね、と思うかもしれません。
(1)生活の変化
産後は、生活が一変します。赤ちゃんはいつだって待ったなし。夜泣きなどで眠れない日もありますし、夫婦で過ごしていた大人中心の生活から子どもに合わせた生活になります。
さらに、小さな命を預かる責任の重さも加わりますよね。その心理的負担は、ホルモンバランスの変化がないパパにも当然あります。
(2)夫婦の時間が減る
ママが忙しくなるため、寂しさを覚えることも原因であると言われています。
ママにしてみればパパが二の次になるのは当然なのですが、パパにとっては一大事! 夫婦の会話が減り、夜の営みも疎かになることで心の距離が離れてしまったと感じてしまうことも……。また、ママがうつ状態に陥ることで、同調してしまうケースもあるようです。
(3)仕事と育児のバランス
育児休暇を取ろうと奮闘するパパであれば、子育てへのジレンマはより大きくなります。
男性の育児休暇取得率は低く、2011年度に2%を越えたものの、2012年度には再び1%を切ってしまいました。まだまだ社会的な認知や基盤が整っておらず、狭き門です。たとえ勝ち取れても、次は、「夫が働き、妻が育児をする」という固定観念に基づいた世間の偏見が待っています。
長期休暇によるキャリアへの影響を懸念し、将来に不安を感じる方が多いことは、男女ともに共通のジレンマなのです。
いずれにせよ、個人差が大きいため、パタニティブルーの原因は、特定が難しいと言われています。
コミュニケーションが予防と解決のカギ!
パタニティブルーに陥らないためには、まずは妊娠中から、産後の生活についてイメージしておくことが大切だと言われています。やはりある程度、生活の変化に対する心構えがあるだけでも、感じ方は大きく変わるためです。
そして、もう一つ。互いの気持ちを話し合い、分かち合うことが最も大切なことです。
「ママだから」「パパだから」という固定観念からか、「これぐらい当たり前」「我慢しなくては」と、葛藤があっても飲み込んでしまうことが一番の問題になるのです。
ママだってママ1年生なのですから、パパも同じです。
母性や父性は赤ちゃんと一緒に育つものと考え、当たり前はないと思ってちょうど良いのかもしれません。
何よりも大切なのは、赤ちゃんとみんなが笑顔でいられる生活です。互いにいたわりあい、1日に15分でも良いので、夫婦で触れ合える時間と一人で過ごす“じぶん時間”を作ってみてはいかがでしょうか。
それでもつらさが改善しない場合は、専門家の門を叩くことをおすすめします。
【参考リンク】
・パタニティブルーの精神的・心理的視点 | 関西医療大学(PDF)
【関連コラム】
・父親の産後うつ「パタニティブルー」の原因と対処法
●ライター/川中利恵(在宅ワーカー)