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夏休みの宿題を代行してくれるサービス利用の賛否

夏休みの宿題を代行してくれるサービス利用の賛否

【ママからのご相談】
夏休み中、小学6年生の娘が、「塾の勉強で大変だから、学校の宿題を宿題代行業に頼んでもいい?」と言ってきました。娘に、「宿題代行業って何?」と尋ねたところ、お金を払えば、宿題を代わりにやってくれるサービスがひそかに流行っているらしいです。それを聞いて、初めは驚きました。いつも宿題については、私たちが手伝わず、自分の力で終わらせるように言い聞かせていましたが、今回だけは、中学受験に集中させるために読書感想文と自由研究だけ依頼してしまいました。

新学期が始まり、もう提出してしまいました。今考えると、少し罪悪感があります。頼んで良かったものか。どう思われますか?

a 「お金を払って宿題を頼む」という行為、子どもへの影響を勘案する。

こんにちは。ママライターのKOUです。

もう新学期が始まりましたが、依頼された宿題をそのまま提出なさったのですね。

ご相談者さんのお子さんは、中学受験を目指されているということで、夏休みはまとまった勉強時間をとれる大事な時期だったかと思われます。私自身も数十年前ですが、中学受験を経験しておりますので、確かに、学校の宿題を後回しにしてしまう気持ちもよく理解できます。

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宿題代行業とは

新聞やテレビなどの報道によると、最近は、小中学生の宿題を代行する『宿題代行業』という新商売が、ネットを中心として静かに広がっているのだそうです。今年の夏の終盤は大盛況で、業者の中には、「手一杯で受けられない」というところもあったと言います。

では、相場はいくらぐらいなのでしょうか?

・算数、国語などのドリル……1冊5,000円~
・読書感想文……3,000円~
・自由研究、工作……5,000円~

業者によって、料金も多少の差はあるようですが、緊急の依頼の場合は、価格を上乗せするところもあります。代行業には、大学生が運営していたり、作文の添削者がプロであったりと、さまざまです。

こうした宿題代行業が大繁盛の一方で、教育関係者からは警鐘を鳴らす声も挙がっています。

例えば、教育評論家の尾木ママこと尾木直樹さんが、単に子どもが学力を養う機会を損なうというだけではなく、『子どもにお金でなんでもできるという歪んだ価値観教えることになります』などと、メディアを通じて指摘しています。

そこで、小学生を持つ現役ママさんや宿題を出している現役教員の方々から、宿題代行業を子どもたちが利用することについてご意見を集めてきました。

賛否両論! 宿題代行業への意見集

(1)反対派

『お金を出してまで、宿題をやってもらうなんて理解できません。これがくせになれば、うちの子は、「宿題は誰かがやってくれる」と依存してしまい、きっと家でゲームばかりやってしまいそうです』(小学4年生男の子ママ)

『大学生の卒論なども代行する業者もあると聞きます。子どもたちは、宿題といった課題をこなし乗り越えて初めて、実力をつけることができるものです。その過程を経験できない子は、何も得られなくなってしまいます』(中学校教員)

『娘は、小学校低学年のときは宿題を自分からやらない子でした。ですから、夏休みが終わる数日前になって焦り、泣きながら始業式の前日まで宿題をやっていましたよ。これに懲りてきたせいか、4年生の夏休みからは、「7月中に終わらせて、8月は遊ぶ!」と宣言して、早い時期に宿題を終わらせていました。宿題に関しては、多少、親が手伝うことは悪くないと思いますが、お金を出すのはおかしい。基本的には子どもに責任を持たせるべきだと思います』(小学5年生女の子ママ)

反対派の意見をみると、「金銭をかけて宿題を依頼する」こと自体に違和感を持っていらっしゃる方が目立ちました。

確かに、尾木さんが指摘するように、「お金で何でもできる」という価値観を子どもたちに植えつけてしまう危険性は高いかと考えられます。

(2)賛成派

『代行業者があることを知りませんでした。夏休みなど長期の休暇に出される宿題は山ほどあって、子どもがいつも苦労しています。私も働いているので、あまり手伝えません。読書感想文など苦手なものだけでもいいから利用してみたいです』(小学3年生女の子ママ)

『(宿題代行業について)テレビで知りました。息子は初めての宿題を楽しそうに取り組んでいたので、今回は利用しませんでした。今後、学年が上がって塾や習い事に時間を費やすようになれば、利用も検討したいです』(小学1年生男の子ママ)

『世間の親は、子どもの夏休みの宿題の量に頭を抱えていると思います。毎年悩むのが、自由研究。子どもたちも面倒だと、後回しにするので、必ず夏休みの終わりまでに残しておいて、焦ります。そんなときに、代行していただけるとありがたいです。今回は利用しませんでしたが、世の中のニーズに応えているサービスだと思います』(小学6年生女の子、小学3年生男の子ママ)

賛成派の方の多くは、現在は利用していないものの、今後“宿題が終わらない”状況になれば利用したいと考えているようです。

特に、共働きの家庭では、親が手伝えない分、業者に頼むという最終的な手段として、「利用するのも手」という声もありました。


このほか、

『親の弱みを狙った悪質な商売。利用したい人が利用すればいい』(小学6年生男の子ママ)

『(宿題代行業が)広まってしまうと、代行業者に頼んだかどうか、宿題のチェックも慎重にしなければならない。だからといって、「これは自分でやってないでしょう?」と問い詰めるのも難しい』(小学校教員)

『子どもがネットで代行業者を見つけてきて、「これやばい。知っているか、お友達に聞いてみよう」と言っていたので、慌てて止めました。もし、うちがお金出して宿題を片付けているなんて、噂が立ったら恥ずかしい。利用するにしても、内緒』(小学5年男の子ママ)

など、さまざまな意見やご指摘をいただきました。

ご意見はいろいろでしたが、実際に、「利用した」と答えた方はいらっしゃいませんでした。

ご相談者さんが感じた“罪悪感”は、おそらく、子ども自身が宿題をこなせずに、「お金を出して(宿題を)頼んだ」という後ろめたさだったのではないでしょうか? とはいっても、先生に、「別の人がやりました」などと正直に謝る必要はないかと思います。

宿題代行業に頼むのも頼まないのも価値観の違いと言ってしまえば、簡単です。

ただ、宿題にお金を支払い他人に任せてしまったこと自体が、子どもにとってどのような影響が出てくるか。そう考えると、自ずと答えが見えてくるような気がします。

秋からは受験の追い込みに入りますが、頑張ってくださいね。

●ライター/KOU(ママライター)

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