増加傾向にアリ! 長年連れ添った夫婦が「熟年離婚」する理由5つ
2014年9月12日 | よみもの増加傾向にアリ! 長年連れ添った夫婦が「熟年離婚」する理由5つ

【女性からのご相談】
長年連れ添った夫婦が“熟年離婚”する理由ってなんでしょうか。どういったことがきっかけなのか、知りたいので教えてください。
きっかけは意外なところにあることも。
ご相談ありがとうございます。アディーレ法律事務所弁護士の篠田恵里香です。
ここ数年、日本の離婚件数は減少傾向ですが、熟年離婚の割合は増加しています。
長年連れ添った夫婦が離婚するには、それ相応の理由がありそうですが、意外にも、「そんな理由?」という場合も少なくありません。
熟年離婚を決意する方の多くは、「第2の人生を歩みたい」とおっしゃいます。
昨今では、平均寿命も延び、退職後の人生も長いことから、「老後をいかに過ごすか」は大きなテーマです。第2の人生を熟慮した結果、“離婚”という選択に至るということですね。

熟年離婚の原因5つ
(1)子育てからの解放、安らぎ
第2の人生を考えるきっかけは、「仕事や子育てから解放された」「貯金もあり、人生の選択肢が増えた」などが主要です。
子どものためにと、長年離婚に踏み切れなかった夫婦が、子どもの自立を機に離婚するというケースもあります。夫が仕事人間だった場合、「家にいてもすることがない。自尊心を満たすため愛人に走る」という不倫離婚のケースも聞きます。
男性の場合、相手が、夜の店の女性であることが多いのは、夫が聞き上手な女性に安らぎを求めている結果かもしれません。
(2)亭主元気で留守がいい
夫が家庭に入り、家事もしないでだらだらしている様子を見て、妻が苦痛に耐えきれなくなる『主人在宅ストレス症候群』のケースも最近はよく耳にしますね。
こうなると、妻は、生涯一緒にいるべき伴侶を、家の外に求めるようになります。
(3)家族関係のトラブル
熟年特有のトラブルから、性格の不一致が露呈し、離婚に至るケースもあります。
特に、一方の親御さんの介護の問題や相続トラブルなどは典型です。介護問題に無関心、相続争いの熾烈化など、これまで見えなかった相手の“嫌な顔”が見えた途端、愛情が一気に冷めるのでしょう。
(4)いくつになっても出会いは新鮮
熟年離婚を後押しするものとして、“熟年婚活サイト”の充実や、高齢者サークルの増加等も挙げられます。
熟年でも、まだまだ楽しみたい、新しい出会いに期待する、という方も多いようです。共通の趣味を見つけたり、会話を楽しんだりしていると、「今の配偶者とは一緒にいるのが苦痛」と思ってしまうのかもしれません。
(5)年金分割制度
平成19年に始まった年金分割制度も、熟年離婚を後押しする要素になっているようです。
離婚後の生活が不安という理由から離婚に踏み切れなかった妻たちが、「夫の年金を分割してもらえるなら」と、離婚に踏み切る場合はありそうです。
長年連れ添うからこそ、より一層パートーナーへの気遣いを
熟年離婚は、まとめれば、「今の相手と第2の人生を考えられない」という気持ちが原因です。
その根本には、“言いたくても言えずにいた妻の我慢”や“夫の孤独感”などもありそうです。
熟年離婚を避けるためには、夫婦がお互いに就労時代からよく話し合い、老後の生活設計についても意見を共有しておく、思いやりをもつ、などのいわば当たり前の姿勢が大切なのかもしれませんね。