乳幼児の“英才教育”意外な弊害4つ
2014年9月10日 | よみもの乳幼児の“英才教育”意外な弊害4つ

【ママからの相談】
0歳の子がいます。私は短大卒ですが主人が医師です。子どもも将来は医師にと思っています。そこで、右脳、体操、英語……とにかく早期英才教育をたくさんさせようと思っています。でも主人や義母は、「そんなことをしても意味がない」と反対します。優秀な子に育てたいから言ってるのに……。早期英才教育って意味のないものなんですかね……。
過度な期待は禁物です。
こんにちは。ライターのakiです。
今や早期英才教育をうたっている幼稚園や乳幼児向けの習い事などたくさんありますよね。脳が柔軟なうちにさまざまなことを学ばせてIQを高めたり体を鍛えたり、語学能力を発達させたり……。
子どもの能力を十二分に高めていくという意味で早期英才教育は良い効果があり、決して意味のないものではないと思います。
ただ、そのような教育を受けた子どもたち全員が確実に優秀になるか、というとそういうわけではありません。当然、合わない子もいるのです。
そこで今回は、実際に早期英才教育を受けさせていた保護者の方にその落とし穴を具体的に聞いてみました。この話をもとに、わが子と照らし合わせて考えてみてください。

早期英才教育の落とし穴4つ
(1)合わない子にとっては劣等感が生まれてしまう早期英才教育
『うちは体操指導の名門と言われる幼稚園に通わせていました。登園したらすぐに跳び箱の授業から始まり教室移動も側転です。うちの子はなじめず、みんながばんばん飛んだり跳ねたりしている横で毎日壁にもたれてジッと見ているだけでした(無理強いはさせないという幼稚園の方針だったので)。最初だけかと思いきや1年間その状態でした。結局変なコンプレックスだけが生じてしまい、かわいそうなことをしてしまいました。その幼稚園が悪いとは思いませんが、個性的な教育をされるところは当然合わない子もいるんだということがわかり、普通の幼稚園へ転園しました』(幼稚園男子母)
(2)先取りで他の子よりもできると勘違いしてしまう
『フラッシュカードを取り入れた幼稚園でした。ひらがな、カタカナ、アルファベットなど小学校入学前に全て読み書きできるようになります。近所の保育園に通うお子さんに、うちの子は何でもできるという態度をとってしまったのですが、小学校も高学年になるとひらがなカタカナレベルではない勉強が始まり成績は一気に追い抜かれました。息子はちょっとの先取りでいい気になって自分は天才だと勘違いし、プライドが高くなって勉強をしなくなってしまったのです』(小5男子母)
(3)プリスクールにいる間に日本語がおろそかになった
『共働きということもあり0歳からプリスクールに通わせていました。ネイティブの保育士の先生がみてくださるので、リスニングも発音も申し分なかったです。でも、お友達同士ではこっそり日本語で話してたみたいで……そのせいかスピーキングがあまりできませんでした。あとひらがなやカタカナは家で教えなければならずとてもしんどかったです。ほとんどのクラスメイトはそのままアメリカンスクールやインターの小学校に行きましたが、うちは公立の小学校へ行ったので、結局英語も日本語も中途半端になってしまいました』(小2女子母)
(4)受け身の勉強癖が身に付いてしまう。やり方に注意
『右脳教育をしてくれる塾と幼稚園に行ってました。おかげで難関の中高一貫校に合格しました。ただ小さいころは優秀だったわが子も中学3年生の今は成績が下位です。担任の先生からは、「授業態度もいいし勉強時間も申し分ないが、いつまでたってもやらされている勉強しかできていない」と言われます。暗記は得意なのですが、大学受験では暗記だけではなく自分で考え切りひらいていく攻めの勉強も必要です。幼少期のフラッシュカードのときは楽だった……というわが子。意識の改めが必要です』(中3男子母)
いかがでしたか? 早期英才教育を決して否定しているわけではありません。
将来的な素地を作るためだとか、子どもの知的好奇心を広げるためだとか、そういった肩肘張った姿勢ではなく、ただ楽しく通わせてらっしゃる方もたくさんいます。
要は絶対に優秀になるんだと期待し過ぎないということ。
子どもたちがその環境で楽しめることを良しとし、また、幼稚園や塾に任せきりにするのではなく、家でも学びのフォローをしていく姿勢が大切だと思います。そうすれば、早期英才教育もより良い効果を発揮すると思います。
●ライター/aki(中高英語教員)