妊婦に“腹帯”は必要か? 腹帯の効果とリスクとは……

妊婦に“腹帯”は必要か? 腹帯の効果とリスクとは……

【ママからのご相談】
妊娠7か月のプレママです。お義母さんに、「腹帯を着けなさい」と注意されるのですが、暑いし苦しいしであまり着けたくありません。やっぱり着けないといけませんか?

a 腹帯の危険性について知ろう。

ご相談ありがとうございます。ママライターの木村華子です。

三度の妊娠から、腹帯のメンドクサさはよくわかります。「着けた方が快適!」という方もいらっしゃるでしょうが、私は全く好きになれませんでした。特に夏の妊婦さんともなると暑さ・煩わしさも倍増しますよね。

日本では古来より、安産で多産の犬にあやかって妊娠5か月の妊婦さんが“戌の日”に腹帯を巻く風習があります。

腹帯には胎児が育ちすぎるのを防ぎ、難産を食い止める効果や妊婦さんが正しい姿勢をキープできるといった利点があるとされ、年配の方には“妊婦さん=腹帯”という認識も根強いようですね。

ところが、現代では腹帯に関するこれらの利点に医学的な根拠がないとも言われているのです。

今回は、腹帯による危険性についてご案内いたします。

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腹帯の危険性

妊婦さんには当たり前の存在でもあった腹帯の危険性は、いまや至るところで叫ばれています。その一つ、『助産院ばぶばぶ』の院長であり人気助産師の小林寿子さんは、ホームページで腹帯の危険性を紹介しています。

『腹帯でお腹を強く締めつけると、赤ちゃんや胎盤、へその緒がママの背骨のほうへと押しつけられることになります。赤ちゃんが胎内でスクスク育つためには、たくさんの新鮮な血液が必要ですが、腹帯でお腹を締めすぎると子宮に十分な血液や栄養が運ばれなくなって赤ちゃんは大きくなることができません。下半身から心臓に戻る静脈血がうまく流れなくなるので脚がむくんだり、冷えが出たりします。母体は最優先で赤ちゃんに血液を運ぼうと働きます。その結果、心臓のポンプに負担をかけて血圧を上げていきます』

他国と比較して日本の妊婦さんに妊娠中毒症が多いとされる要因の一つであるとも言われていて、腹帯を勧めない産科も増加しているそうです。

胎盤剥離を招く原因にも!?

胎盤剥離をご存知でしょうか?

通常であれば出産後に剥がれ落ちる筈の胎盤が、赤ちゃんがまだお腹に居るのにも関わらず剥がれ落ちてしまうという恐ろしい病気です。

赤ちゃんは胎盤を通してママの栄養や酸素を得ていますので、その胎盤が剥がれることで赤ちゃんの脳は酸欠状態になってしまいます。また大量の出血を伴うのでママの命に関わることもあるのです。

なんと腹帯は、胎盤剥離を引き起こす原因でもあるとも言われているのです。

無理に着けなくても大丈夫!

ここまで腹帯がもたらすデメリットばかりを紹介してきましたが、“腹帯=悪”というわけではありません。腰痛の改善や冷え予防、また着けることによって妊婦である自覚を高め、ママになる心の準備にもなるでしょう。お義母さまもきっと、相談者様のためにお勧めしてくれているはずなのです。

着けるのであれば、キツいと感じるほど巻くのではなく、正しい着用方法を意識しましょう。

しかし、着けることで不快な思いをしているのであれば無理に着ける必要は無いと思います。ここで紹介したように“着けない方が良い”という理由も十分にありますので、「赤ちゃんのために着けないんです」という説明で理解してもらうと良いですね。

【関連コラム】
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●ライター/木村華子(ママライター)

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