食物アレルギー以外の蕁麻疹の原因4つと確認方法
2014年9月2日 | よみもの食物アレルギー以外の蕁麻疹の原因4つと確認方法

【女性からのご相談】
食べ物のアレルギー以外で、蕁麻疹が出る理由としてどんなことが考えられますか?
薬、運動、入浴、ストレス、あらゆる要因が蕁麻疹を引き起こします。
こんにちは、スチューデントドクターのひでくらてすです。
ご相談ありがとうございます。『蕁麻疹(じんましん)』、なかなか奥の深い病気です。なぜなら、蕁麻疹には非常に多くの要因が絡んでいるからです。
食べ物による蕁麻疹では卵や牛乳などによるアレルギーがよく知られていますが、それ以外にも疲労やストレスなど体調的なことも関係し、特発性と言われている原因不明のものも多く存在します。
そんな中でも、今回はご相談いただいたように、主に食物アレルギー以外で起こる蕁麻疹についてお話をしていきたいと思います。

そもそも蕁麻疹とは?
まず、蕁麻疹は医学的には『一過性のかゆみを伴う限局した皮膚の浮腫』と定義されます。簡単に言うと、“皮膚が赤く膨らんで、かゆくなり、しばらくすると消える”ということです。原因は大きく次の4つに分類されます。
(1)アレルギー
(2)仮性アレルゲン
(3)物理的刺激
(4)発汗
では、それぞれ具体的にどんなものがあるのか見ていきましょう。
(1)アレルギーによる蕁麻疹
まず、食べ物以外でももちろんアレルギーは起こります。主な要因に以下のようなものがあります。
・薬物(解熱鎮痛剤やCTやMRIで使用される造影剤)
・花粉
・ハウスダスト
・植物への接触
・虫刺され、蛇咬
・ラテックス(天然ゴムの加工品)
など。
また、食べ物そのものにアレルギーが無くても、以下の様なものを食べた後に運動すると、蕁麻疹が出ることがあります。
・小麦を原料とする食品
・海老、イカ、カニなどの海産物
など。
(2)仮性アレルゲンによる蕁麻疹
“仮性アレルゲン”とは、アレルギーではないのですが、アレルギー関連物質を多く含むものを食べることで、結果的にアレルギーと同じような症状になってしまうことを言います。
・そば
・サバ
・ほうれん草、ナスなどの野菜
など。
(3)物理的刺激による蕁麻疹
意図しない様々な物理的刺激によっても、蕁麻疹は生じます。
・日光
・冷水、冷風などの寒冷刺激
・温熱
・持続的な圧迫
・水(真水よりも海水のように塩分を多く含む水に多い)
など。
(4)発汗による蕁麻疹
汗をかくだけでも蕁麻疹は出る可能性があり、10〜20歳くらいの比較的若い人に多くみられます。
・運動
・入浴
・精神的緊張
など。
以上のように、蕁麻疹には非常に多くの原因があります。
ちなみに、蕁麻疹らしきものが出ている場合に、それが蕁麻疹かどうかを簡単に調べる方法があります。それは、蕁麻疹らしきものが出ているところに先がとがってないもの(ボールペンの頭など)で皮膚をひっかくようにこすります。蕁麻疹であれば、こすったところが盛り上がって赤くなります。
これは『紅色皮膚描記法』と言い、医療の現場でも行われる検査の一つです。蕁麻疹のような症状でお悩みの方は一度試してみてください。
【参考リンク】
・蕁麻疹 | 日本皮膚科学会
●ライター/ひでくらてす(スチューデントドクター)