『羊水過少症』になる原因と対策について
2014年8月28日 | よみもの『羊水過少症』になる原因と対策について

【ママからのご相談】
妊娠6か月に入ったばかりです。羊水過少症と診断され安静にと言われたのですが、フルタイムで働いていて予定していた出産休暇まで2か月あります。しばらく休養すれば大丈夫でしょうか? 赤ちゃんには異常がないそうです。
無理は禁物! 羊水過少症とは。
こんにちは。心理食育インストラクターのSAYURIです。
ご相談ありがとうございます。予定していた休暇までまだ2か月もあれば、引き継ぎも十分できていないでしょうし、気になることもたくさんあるでしょう。その責任感は素晴らしいと思いますが、今はお仕事よりご自身と赤ちゃんの為に、心身ともにゆっくりするべき時期かと思います。
今回は、羊水過少症の原因と対策についてご紹介します。

羊水過少症とは
日本では羊水過少症の明らかな定義はなされていませんが、一般的には、『妊娠中期以降で羊水量が100ml以下と判断される場合を羊水過少症』とされています(一部の病院では300ml以下で羊水過少症と診断される事もあるようです)。
羊水量は通常、お腹の赤ちゃんが羊水を飲み込む量とおしっことして排泄する量でバランスが取られているのですが、羊水過少症の主な原因は、胎児尿産生の低下(赤ちゃんがおしっこをする力が弱い)、あるいは羊水腔からの羊水の流出(破水)です。
原因の約半数は前期破水によるものと考えられています。破水により慢性的・持続的に羊水腔から羊水が流出すれば、当然の結果として羊水過少症の原因になります。
赤ちゃんの異常が原因の場合
今回は赤ちゃんには異常がないとのことでしたが、参考までに。
(1)胎児腎での尿産生の低下
赤ちゃんの腎臓に問題があり尿産生がなされない、または低下する場合。
・腎無形成
・腎形成不全(低形成を含む)
・嚢胞性腎疾患(多嚢胞性異形成腎など)
・閉塞性尿路疾患(尿道閉鎖・後部尿道弁など)
(2)胎児腎血流量の低下
赤ちゃんの腎臓には直接的な問題はないけれど、子宮・胎盤血流の低下により胎児の腎血流量が低下し、その結果として尿産生が低下する場合。
・子宮内胎児発育遅延
母体が原因の場合
・過期妊娠・予定日超過による胎盤機能不全
・妊娠高血圧症候群あるいは母体の膠原病などによる胎盤機能不全
羊水過少症の対策
今回は、母体が原因の場合で挙げた2つにはあてはまらないようなので、臍帯血流が悪いと言われたのではないでしょうか。
家事や仕事で忙しい妊婦さん、特に立ち仕事の方は、何らかの理由で臍帯血流が悪くなることがあるようです。
(a)予定より早くても休暇に入り、ゆっくり休む
忙しいなかではあると思いますが、無理せず出産の準備に入ってはいかがでしょうか。
(b)なるべく横向きの体勢で安静にする
子宮の後ろ(背中側)には血液を下半身から心臓に戻す下大静脈という太い静脈があって、この静脈を大きくなった子宮が圧迫しないように横向き(できれば左を下に)に寝るようにしましょう。
(c)適切な水分補給
妊婦さんの血液量が増えることで、臍帯血流が良くなることが期待できると言われています。
お仕事は代わりに誰かが何とかすることができます。でも貴女の赤ちゃんを無事に生むことは貴女にしかできないことですから、今は体調管理を最優先にして下さいね。
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●ライター/SAYURI(心理食育インストラクター)