認知症を悪化させない“運動”と“歌”のススメ
2014年8月15日 | よみもの認知症を悪化させない“運動”と“歌”のススメ

こんにちは。認知症の介護をする場合、“童謡と軽い運動がよい”と気づいたメンタルケア心理士の桜井涼です。
私が、認知症の祖母の介護をしていたときの話です。ヘルパーさんやケアマネージャーさんから、「軽めの運動や手遊びなどを毎日行ってみてください」と言われました。
ただこの時の祖母は、認知症もありましたし、寝たきりに近い状態でしたから、「運動なんてできないのでは?」と思っていました。

運動や手遊びに導く
さまざまな介護の本を読んでみても、やはり軽い運動や手遊びを勧める内容が書かれていますが、祖母ができそうにないものばかりだと勝手に判断をしていました。それでNHKの体操番組を真似してみたりしたのですが、それこそうまくいかず、私だけが疲れてしまう状態でした。
そんなある日、テレビから童謡が流れてきたことがありました。それを聞いた祖母が手を動かそうとしていました。その曲は、『げんこつ山のたぬきさん』でした。
自分から動こうとする気持ちになるように、童謡や祖母が好きだった曲をかけたり、歌いかけるようにしました。認知症や寝たきりの場合、導くことが大切だと気づいたのです。
歌を歌ってあげる(CDを流す)
認知症などが原因で、なかなか運動を取り入れることが難しい場合には、昔からある童謡を歌ってあげたり、CDをかけてあげることで気分が乗りやすくなってきます。導入の部分として取り入れることをおすすめします。
『介護スタッフ20のテクニック』の著者である斎藤道雄さんは、『自ら動こうとする状況を作り出すことが大切です』と言っています。
一緒に歌ったりしていくうちに、気分が乗り運動や手遊びがしやすくなります。手遊び歌なんかですと、リズムが取りやすいので手を自発的に手を動かしやすくなります。一緒に楽しむ気持ちでやってみましょう。
認知症を軽減するために行いましょう
認知症を患っている場合は、さまざまな症状が出てきますし、寝たきりに近くなってきてしまいます。治すことはできませんが、今以上に悪くならないようにすることはできるはずです。
運動の導入となる歌を利用しながら、手遊びや軽い運動をしていきましょう。最初は、手を握ったり開いたりすることでもいいのです。ゆっくりできることをやっていきましょう。基本的に毎日行う(数分でもいいので)ことが大切です。
介護者が生活の中で無理のないように習慣づけをしてあげましょう。
認知症の人に運動をさせることは本当に難しいです。突然怒り出してみたりするのですから。だからこその導入です。歌を聴くと心が癒やされます。特に童謡はその典型です。
運動で手こずってしまっていたら、童謡を取り入れてみてはどうでしょうか。
【参考文献】
・『介護スタッフ20のテクニック』斎藤道雄・著
●ライター/桜井涼(メンタルケア心理士)