家事ができない専業主婦は“シャドー”との戦い?
2014年8月5日 | よみもの家事ができない専業主婦は“シャドー”との戦い?

【女性からのご相談】
結婚3年目のダメ主婦です。子どもはまだですが、結婚を機に仕事はやめました。私は体が弱く、すぐ疲れてしまうので家事も満足にできていません。夫はとても完璧なひとで、文句も言わず、食事を作ってくれますし、休日に家事をまとめてやってくれます。友人には、そのうち旦那に逃げられるよと言われましたし、兼業主婦のなかにはものすごい勢いで専業主婦批判をする人もいます。
今は、主婦も働かなくてはいけないというのが常識なんでしょうか? 厳しい意見を聞いていたら、好きな人と結婚できたのに、何にもできない自分に嫌気が差してきました。このままだと夫に嫌われてしまうでしょうか。
ダメ主婦でもいいんじゃない?
こんにちは。カルチャー担当・みわあやのです。
正直、「うらやましいなぁ」という感想とよだれしか出てこないわけですが。このご時世、旦那さんの稼ぎだけで余裕をもってやっていける家庭は一握りだと思うんですよ。そのうえ、家事までやってくれる人と結婚できたあなたは、これはもう、宝くじに当たったようなものかもしれません。おめでとうございました。
将来的に旦那さんが愛想を尽かすかどうかは、本人にしかわかりませんし、夫婦がしあわせなら、それでいいんじゃないでしょうか。でも、あなた自身が「これじゃダメかな」と思うならば、少しずつできることを増やして、自信をつけていくのがいいでしょうね。

ダメ主婦批判は「シャドー」との戦いかも?
質問サイトをみていると、「専業主婦」というキーワードに反応し、目くじらを立てて攻撃する人って、けっこう多いんだなと感じます。
さらに、「ダメな部分がある」となると、鬼の首をとったように叱責します。どうして他人事なのに、親の仇のように批判するのだろう。と考えた結果、心理学でいう『シャドー』が関係しているのでは、という疑惑が浮上しました。
シャドーというのは、自分が禁止し、抑え込んでいる感情のこと。自分が「だめだ」と抑圧していることを、他人が平気でやるのをみると、不平等を感じて心のバランスが崩れる。そして怒りが湧いてくる、というしくみですね。
「働くのがつらい」という気持ちを押し殺し、歯を食いしばって仕事に出かける人。彼らが、外で働かなくてもいい状況にいる人を妬ましく思うのは、仕方のないこと。
でも、妬んでいるなんて認めたくないので、「相手が非常識だ」ということにして、攻撃したり、冷ややかな目でみたり。自分の「シャドー」を正当化しようと、「社会的には、常識的には」など、ごもっともな理由を並べて、対象を見下すことで納得したい。不満を抱える人には、そんな心理があるんですね。
それが顕著に表れている人ほど、「働くことがつらい」ということに強い抑圧・こだわりをもっています。と宣伝しているようなものです。
他人の生活が楽かどうかなんて、本人にしかわからないのに、「楽をしていてずるい」って思い込んでしまうんですね。
男にも、女にも、専業主婦にも、働く主婦にも、それぞれのメリット、デメリットがあるわけですし、そもそも世の中は公平じゃないのに。
自分に課した「こうあるべき論」に執着し過ぎて、色んな人がいて当然なんだと受け入れられない状態になってしまうケースは多いんでしょう。しんどい生き方です。
ちょっとずつ、達成感を味わってシャドーを撃退
というわけですが、相談者さんが「ダメ主婦」だと気に病んでいる。ということは、やはりその心のどこかに「シャドー」が潜んでいるとも考えられます。引け目を感じる部分があるならば、少しずつ解消していきたいですよね。
とはいえ、体質も環境も人それぞれですから、自分のできる範囲で、できることをコツコツやっていかれたらいいのでは、と思います。
買い物や調理などについては、下ごしらえ済みの食材を配達してくれるサービスなんかを利用する、という手もありますよね。
毎日大掃除してピカピカにしなくたって死にゃーしません。なので、今日はお風呂、今日は寝室、というぐあいに、ちょっとずつ目標を作って達成していくのも自信にもつながると思います。
できない理由をならべてクヨクヨするよりも、ゆっくりでいいから、できることを見つけて、自信を取り戻して欲しいな、と思います。
●ライター/みわあやの(カルチャー専門家)