ベジタリアンは癌になりにくい? なりやすい?
2014年7月30日 | よみものベジタリアンは癌になりにくい? なりやすい?

「日本人の3人に1人はガンで亡くなる」と言われている昨今、ガン対策を考えることは、長生きをする上で必要不可欠です。
ガンには野菜が効果的だと言われていますが、ベジタリアンとして生活すれば、ガンになるリスクを減らせるのでしょうか?

(1)「ガンに野菜が効果的だ」とする根拠
世界ガン研究機関によっては発表された10か条の中に、『果物や野菜を毎日400g以上(理想は600g以上)食べること』『鶏肉以外の肉は1週間で500g以下にすること(理想は300g以下)』という記載があります。これは、ガンの予防だけでなく、改善にも効果的だそうです。
また、同機関の研究結果から、赤肉(牛や豚)を食べることにより、女性の場合は、結腸ガンの発生する確率が1.4倍程度になるということが分かっています。その他にも、野菜を毎日食べる人の胃ガンの発生リスクは、野菜を殆ど食べない人の、6割程度になると言われています。
これらのことから、「ベジタリアンの生活はガンに良い」と考えられているのです。
(2)「ガンに野菜が効果的でない」とする根拠
一方で、『野菜が中心で肉を殆ど食べない人の場合、そうでない人に比べると、ガンになるリスクが50%程度高い』というデータもあります。これはオーストリアの研究者によって発表されたものであり、同時に、心理的な病についても言及しています。
ガンと戦う際に非常に重要になってくる『免疫力』ですが、これを高めるには、アミノ酸が必要です。アミノ酸は肉類に多く含まれています。そのため、肉を全く摂らないタイプのベジタリアンの場合、「寧ろ体に悪影響を及ぼすのではないか」と考えられる訳です。
ベジタリアンであったジョブズ氏がガンで亡くなったことは、よく知られています。
(3)「そもそも明確な違いは無い」とする根拠
「ベジタリアンはガンに強い」「ガンに弱い」とする説も多い中で、「どちらにせよ、それ程大きな違いは見られない」とする説もあります。
研究の母集団が少なかったり、追跡調査が十分でなかったり、他の要因も絡んでくるため、「ベジタリアンであろうがなかろうが、実際は個人差の方が大きいのでは」と考える向きもあります。
今現在、「ベジタリアンであれば絶対にガンにならない」とも、「ベジタリアンであれば絶対にガンになる」とも言い切れないのが本当のところです。
【参考リンク】
・赤肉・加工肉摂取量と大腸がん罹患リスクについて | 国立がん研究センター
・野菜とがん予防の関係性 | ファイブ・ア・デイ協会
・野菜・果物摂取と大腸がん発症リスクとの関連について | 東北大学大学院医学系研究科