日本人が中高6年間勉強しても英語を話せない理由3つ
2014年7月25日 | よみもの日本人が中高6年間勉強しても英語を話せない理由3つ

【ママからのご相談】
来月、大学生の娘と海外旅行へ行きます。私も娘も英語は話せないので、パックツアーを申し込みました。そこで、ふと思ったのですが、娘は中高6年間(さらに、習い事で小学校2年間)、英語を学校で勉強していたのに全く話せません。娘に限らず、日本人ってそういう人が多いですよね。なぜなのでしょうか……。
学校での授業と、話せるようになるための英語学習は別物。
こんにちは。ライターのakiです。
最近では、小学校低学年から英語の授業を取り入れている地域もありますし、どの中学高校も英語はメイン教科であり、授業時間も多いです。でも、そのように6年間以上みっちり学んでいるはずなのに、なぜほとんどの日本人は英語を話せないのでしょうか。
日本人はシャイだから? いいえ、それ以前の問題があるのです。今回は、その原因を現役英語教員の方々に訊いてみました。

(1)読み書き中心の日本と話す聞く中心の海外の勉強
『日本の大学受験の、英語のテスト問題を見た事がありますか? ほとんどが長文で和訳や解釈を求められたり、( )付きの文法問題ばかりです(最近はリスニングも少しは導入されていますが)。一方、海外の大学入試は、英語でのインタビュー(面接)と論文がメインです。だから、海外の学生は、小さい頃から英語で議論をしたり、エッセイを書く訓練をしたりしています。それに対し日本は、暗記中心の勉強で点数が取れるテスト内容になっているので、読み書きばかりの勉強に時間を割き、話す聞くの勉強は二の次になってしまっているのです』(中高一貫私学英語教員)
(2)日本人の発音の悪さはローマ字が原因
『ローマ字は本来、ラテン文字が由来なのですが、日本ではなぜか、半ば英語のように使われています。日本人の多くは、英語の発音を無理矢理ローマ字にあてはめ、読んでしまう人が多いのですが、これは、従来の発音とは微妙に異なっているのです。だから、間違った発音を覚えてしまうことになり、リスニングができない。話しても外国人に伝わらない。となってしまうのです』(私学高校英語教員)
(3)英語を声に出して話す機会が少ない
『日本に居ても、海外のテレビやラジオ放送が気軽に聞けるようになり、生の英語に触れられる機会も、ずいぶん多くなりました。しかし、インプット(聞く)をしても、アウトプットする(話す)場所がありません。やはり、語学は話してこそ自然に身に付いていきます。留学生を家庭で受け入たり、ボランティアや習い事をしたり、スカイプやチャットで外国人と交流するなど、意図的にでも、英語を話せる環境や機会を作るべきだと思います』(中高一貫私学英語教員)
以上です。要はスピーキングの実践の場が少ない、ということでしょうか。
日本人は英語能力が低いわけでも、学校で習った事が役に立っていないわけでもありません。現に、日本人の文法能力は、非英語圏の中でもトップレベルだそうです。
そう考えると、学校での授業と、話せるようになるための英語学習は別物だ、と割り切って勉強するのがいいのかもしれません。
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●ライター/aki(中高英語教員)