海水浴の危険性を知り、子供をケガなく遊ばせるポイント3つ
2014年7月23日 | よみもの海水浴の危険性を知り、子供をケガなく遊ばせるポイント3つ

【ママからのご相談】
2人の子を持つ母親です。夏休みに海水浴へ行こうと計画しています。海での危険をあらかじめ知っておきたいと思っています。どんなことがありますか?
危険なのは生物だけではなく、波と海での過ごし方にもあります。
こんにちは。佐渡島出身で、実際に海で怖い・痛い体験を沢山した、メンタルケア心理士の桜井涼です。ご相談ありがとうございます。
前編の『子供を海の“危険生物”から守るポイント3つ』で生物について紹介しましたが、それ以外にも危険なポイントはあります。それは波と海での過ごし方です。
私が小学生だった頃、砂浜で座っていただけなのに、引いていく波に足をすくわれ、危うく溺れそうになったことがあります。両親がいち早く発見してくれなければ、死んでいたかもしれません。このように、ちょっとした波の変動や、風の流れや強さによって、海は怖いものへと変わるのです。

波の状態をよく見て海水浴を楽しむ場所を決めましょう
波には大きく分けて2つあります。打ち寄せる波と海へ戻っていく波です。この2つの波と風の力が加わることで、とんでもない力を生み出します。
それが、『だし(離岸流)』と呼ばれる波です。海水が流れが沖に戻ろうとしたときに、川のような状態になって戻る流れのことを言います。これはものすごい力で引きますので、巻き込まれてしまったら、命の危険に繋がります。毎年、死者が出ていますが、この波が原因となっているものも多くあります。
そのため、海水浴をする場所の、波の状況を知らなくてはなりません。今は、海上保安庁で情報を流していますので、それを参考にすることと、その情報を子どもと共有することが大切であり、子どもから絶対に目を離さないことが、命を守ることに繋がります。
やけどに注意
やけどは、火だけが原因でなるものではありません。太陽熱で熱くなった砂でもやけどをしてしまいます。砂浜を歩く際は、必ず履き物が必要です。小さい子どもを連れて行く場合は特に注意が必要です。
そして、紫外線によるやけどです。海で泳ぐからといって、子どもに日焼け止めを塗らないでいると、日焼けが酷くなり、夜中に痛がる場合もあります。ですから、日焼け止めは必需品です。
また、目もやけどをします。紫外線が角膜にあたると炎症を起こし、痛みや充血などが起こります。サングラスをかけることも対策になりますが、子どもの場合は、帽子をかぶらせたり、長い時間(15分以上)、直接空を見上げたりしないようにすることも大事です。
身体の異変にいち早く気づく
海で遊ぶことは楽しくて仕方のないものです。大人だってワクワクするでしょう。子どもはそれの倍以上です。学ぶことも多いので、どんどんさせましょう。
ところが、海で泳いだり磯遊びをしたりしていると、何かしら身体に異変が生じることがあります。海の有毒生物だけでなく、夢中になって遊んでいたら岩場で切り傷を負っていたとか、転んでどこかぶつけていた、などということが必ずあります。海では熱中症にもなりやすく、気づきにくいということもあります。
その時は、楽しいから「ちょっと転んだだけ」「ちょっとぶつけただけ」なんて思ってしまいます。余程のことがなければ、子どもからは言ってこないことが多いです。それに気づいてあげられるかどうかが親の役目です。
・1時間を目処にして、海から上がらせる
・水分をこまめに摂らせる
・足や腕など海に浸かっていた部分に異変がないかを見る
これらはとても大切です。また、ちょっとでもおかしなところがあれば、海から上がらせて様子をみましょう。
しかし、自己判断だけは危険です。変だと感じたらすぐに医師に診せることが必要です。私も、両親のその判断のおかげで何度救われたことでしょう。自己判断をして命取りとなることがないように、親として、特に注意して欲しいと感じることです。
海は楽しいところです。それと同時に怖いところでもあるのです。それを十分理解して楽しい夏を過ごしてください。
【参考リンク】
・離岸流海保マリンレンジャー | 海上保安庁
【関連コラム】
・子供を海の“危険生物”から守るポイント3つ(前編)
●ライター/桜井涼(メンタルケア心理士)