どうして成績が悪いの? 高学歴な親ほど子どもをダメにする理由
2014年7月14日 | よみものどうして成績が悪いの? 高学歴な親ほど子どもをダメにする理由

【パパからのご相談】
息子はぼんやりしていて全く勉強をしません。できれば自分と同程度かそれ以上の大学に入って、きちんと勉強や就職をして欲しいです。「今のままではいけない」と厳しく言っていますが、効果は見えず、ダンマリを続けます。最近は余計に成績が下がっているように思います。どうすれば良いのでしょうか。
しっかりとしたコミュニケーションを取ること。お子さんの気持ちを先入観無しで聞いてみてください。
ご相談ありがとうございます。プロ家庭教師の佐々木恵です。家庭教師として多くのご家庭を訪問し、お子さんのみならず、お父様・お母様のお悩みもお伺いしてきました。
意外なことに、子どもが深刻な勉強嫌いで悩んでいるというご相談は、高学歴の親御さんに多いのです。能力はあるはずなのに、勉強につまずき、苦労しているという内容が多く寄せられます。

自分ができたことは子どももできる?
勉強のできる人がつい言ってしまいがちな、“こんなこともできないのか”という言葉。これはお子さんの自尊心を傷つけてしまうNGワードです。
また、勉強のできる親御さんは、“勉強は努力すればできるようになる”と信じてしまっていますが、そうではない子どもも多いのです。
壁を越えられない“良い子過ぎる”子ども
そういう子たちに勉強を教えていると、恐ろしいことに気付きます。彼らに意見を求めても、自分の意見を全く言わないのです。言ったとしても、内容が薄い。よくよく聞いてみると、親の言っていることをそのままコピーしているということがしばしばです。
恐らく、無意識の内に、「言ったら怒られるし」「黙って言うことを聞いている方が楽だし」と感じているのだと思います。この子たちが大人になって進学先や就職先を選ぶ際に、きちんと自分の意志で選択をし、決断することができるでしょうか。
子どもの話をきちんと聞けていますか?
高学歴の親御さんは弁が立つため、自分の話す時間が長くなりがち。一方的にがみがみ言い、お子さんが反論したり意見するのを押さえつけてしまってはいませんか? これが続くとお子さんは、“何を言っても無駄だ”と考え、大切なことも言わなくなり、コミュニケーション不足に陥ってしまいます。
このように、“怒っても効果がない”“ぼんやりしている”子どもたちには、“何をしても無駄だ、どうせ怒られる”と諦めてしまっている傾向があります。
子どもと言えども、小学校高学年にもなれば、物事の善悪が判断できるようになり、自分の意思を持ち始めます。親御さんが想像していることとは全く違うことを、一生懸命考えているかもしれません。是非、素直な気持ちを聞いてあげてください。
自分の話を聞かれることで安心したお子さんは、親御さんの言うこともきちんと聞くようになり、勉強に対しても積極的になる場合が多いです。
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●ライター/佐々木恵(プロ家庭教師)