親としてどうする? 我が子が学校で“いじめ被害”に遭っていたら……
2014年7月11日 | よみもの親としてどうする? 我が子が学校で“いじめ被害”に遭っていたら……

【ママからのご相談】
中学校に通っている娘がいます。先日、娘の担任の先生から、「娘さんがいじめに遭っている疑いがある」と伝えられました。“確証は無いが、その可能性がある”というニュアンスですが、娘はいじめられるようなタイプではありませんし、他の子に比べて劣ったところもありません。
全く信じていない一方で、担任の先生の言葉ということで、やはり気にはなります。どのように対応すれば良いのでしょうか。
お子さんがいじめられているかもしれない事実を受け入れる。
ご相談ありがとうございます。ママライターのマフィーです。
お子さんの担任の先生からのお言葉、さぞ複雑な心境になられたと推測します。
まず、大前提として、ご相談者様は“いじめ”についてどのようにお考えですか? “いじめられるタイプが存在する”“いじめられるタイプに当て嵌まるのは、人に比べて劣っている人間である”などと、本気でお思いなのでしょうか。
もしそうだとすると、失礼ながら、眉間に皺を寄せてしまいます。

いじめは誰に起こるのか
国立教育政策研究所の調査によると、『中学校1年生の6月の時点で、“いじめられた経験が無い”と答えた人数は425人。しかし、中学校1年生の11月に同様の調査をすると、“いじめられた経験がない”と答えた人数は327人』つまり、98人の生徒が、僅か5か月の内にいじめの被害に遭っているということです。
ここから分かることは、“いじめられやすいタイプ”など存在せず、誰でもいじめの被害者になりうるということではないでしょうか。新たにいじめ被害に遭った98人の生徒が、皆等しく、ご相談様が言う、“いじめられやすいタイプ”に当て嵌まっているとは考えにくいです。真面目に部活動に励む男子中学生も、恋に恋する女子中学生も、あなたのお子さんと同様、いじめの被害に遭う可能性は否定できません。
母親であるご相談者様が、お子さんといじめを別次元のものと考えているようでは、対応どころではありません。事実を事実として受け入れてこそ、対応を考えることができるのです。
大人の世界と子どもの世界
私たち大人の世界は、子どもに比べて、とても広いです。義務教育を終え、社会を見て、家庭を作る。多くの人と出会い、全く違う属性の人と関わり、様々な苦しみや喜びを味わう。そんな風にして世界は広がっていきますが、中学生には、そのような経験が圧倒的に不足しています。
つまり、中学生の子どもたちの世界はとても狭いということ。同時に、中学生にとっては、その狭い世界が全てなのです。その中で起こったことを母親に否定されるということがどういうことか。想像に難くないと思います。
いじめの可能性を伝えてくれた担任の先生と、1人で辛い気持ちと戦っているかもしれないお子さん。1番に支えることができるのは、他でもない母親です。
まずは、我が子がいじめられているかもしれないという事実を受け入れること。そして、どんな時でも子どもを守るという覚悟が必要ではないでしょうか。
【参考リンク】
・いじめ追跡調査2010-2012 | 文部科学省国立教育政策研究所(PDF)
●ライター/マフィー(ママライター)