男性不妊と精神的ストレスの密接な関係とは
2014年7月3日 | よみもの男性不妊と精神的ストレスの密接な関係とは

【女性からのご相談】
妊娠希望の30歳です。夫に原因があって不妊治療をしていますが、男性不妊にはストレスも大きく関係していると聞きました。ストレスがあると、どんな影響があるのでしょうか? また、夫は自分に原因があると落ち込んでいるので、それもストレスになっている気がします。私はどう接すればいいでしょうか?
男性のプライドを傷つけないよう気をつけて。
ご相談ありがとうございます。フリーライターの小柚子です。
最近では、男性不妊の割合が増加し、今や不妊の原因の約40%は男性側にあるとも言われています。
精神的ストレスが妊娠を遠ざけてしまうのは、女性も男性も同じです。
それでは、ストレスが男性不妊にどう影響するか見てみましょう。

精神的ストレスが男性に与える影響
コロンビア大学が行った調査によると、ストレスを感じた男性は、精子の濃度や運動率が低かったり、奇形が出やすかったりすることが明らかになっています。
特に、失業中の男性の精子の状態が悪かったことから、大きな精神的ストレスを抱えている程、精子の質が悪いと考えられるとのことです。
また、精神的なストレスを抱える男性は、男性ホルモンである、テストステロンの分泌が減少することが知られています。
テストステロンが少なくなると、精力減退や精子の質の低下にもつながるため、男性においても、ストレスの増加が不妊の原因になりやすいと言われているのです。
男性の精神的ストレスを軽減するために
ご自分に不妊の原因があるとわかったご主人のショックや落ち込みは、相当なものでしょう。
口に出して言うことはないかもしれませんが、精子に何らかの問題があると、「男としての存在意義を否定された」と感じてしまう男性も多いのです。
それが精神的ストレスとなり、症状の悪化を招いてしまうことも考えられます。
しかし、ここでご相談者様が過剰に元気づけたり励ましたりすると、ご主人はかえって負担をかけていると感じたり、あるいはプライドを傷つけられたと感じ、「お前に何がわかる!」と激昂したりするなど、逆効果になってしまう可能性もあります。
そこで、次のような接し方をしてみてはいかがでしょうか。
(1)問題解決のための方針を話し合う
男性は、抱えている問題を自分で解決したいという気持ちが強いので、まず、「どうしたら問題を解決できるか」ということに焦点を当て、具体的な治療方針などを話し合ってみましょう。
解決の糸口が見つかることで、気持ちが前向きになることもあります。
治療方法や精子の状態を改善するアドバイスは、ご相談者様から話すより、医師から直接ご主人にお話していただく方が受け入れやすいかもしれません。
担当の先生に、ご主人と話す機会を作ってもらえるよう、お願いしてみても良いでしょう。
(2)言葉よりも笑顔が大切!
不用意な励ましの言葉は、男性のプライドを大きく傷つけることもあります。
大切なのは、言葉より態度。
ご相談様は、「いつも笑顔でいる」「美味しい料理を用意する」など、日頃の態度で愛情を示すことを心がけましょう。
そんなご相談者様の態度が、ご主人にとって1番の励ましとなります。
男性不妊の場合は、男性が女性以上に悩んだり苦しんだりしているものです。
女性がそれを全て理解することはできませんが、ご主人を労るご相談者様のお気持ちは、しっかりと伝わるはずです。
お2人の元に、赤ちゃんがやってきてくれることを願っています。
●ライター/小柚子(フリーライター)