ヘソクリはどこに預けよう!? 「タンス預金」にするとお金が減っていく理由
2014年7月3日 | よみものヘソクリはどこに預けよう!? 「タンス預金」にするとお金が減っていく理由

【女性からのご相談】
最近テレビで、「タンス預金」しているとお金が減ってしまうと聞きました。実は、我が家には、夫に内緒のヘソクリがあるのですが、なぜ減ってしまうのか? と、その対策を教えてください。
まずは、インフレとデフレについて知る。
こんにちは、ファイナンシャルプランナーの小澤美奈子です。ご相談をいただきありがとうございます。
「タンス預金」とは、金融機関には預けず、家庭で眠らせている現金のことを呼びます。
日本には、個人金融資産が1500兆円、現預金が840~850兆円、また、「タンス預金」やその他が数十兆円あると言われています(金融庁HPより)。
日本は海外に比べ、資産を預貯金に預けておく比率が高く、国の金融政策では、眠っているそれらを「投資」へ流し、経済が活性化するよう努力している最中です。
それでは、ご質問いただいたように、なぜ「タンス預金」は減ってしまうのかについてご説明します。

「タンス預金」の罠
「タンス預金」が減ってしまう理由は、「インフレ(インフレーション)」と大きく関係しています。
インフレとは、物価が上がり続ける状態のことを言い、逆に物価が下がり続けることを、「デフレ(デフレーション)」と言います。
日本では、長い間、デフレが続いていました。
例えば、今年1000円で買えるものが、来年には900円で買えるとします。
そうすると、「今買わなくても来年はもっと安くなるから」とお金を使わず、「現金や預貯金で持っていよう」という心理になります。
要するに、お金が預貯金に留まっている時代でした。
インフレが起きるとどうなる?
インフレは物価が上昇することなので、今年1000円で買えるものが、来年には1200円になるかもしれません。
そうすると、「今のうちに買おう!」という流れになり、モノの需要が増え、経済が活性化されます。
もし、「タンス預金」で1000円を保有していたら、来年には、その1000円では同じものが買えなくなりますね。
要するに、「タンス預金」で眠らせておいたお金は、価値が下がってしまうのです。
対策はどうしたら良いか?
現在日本は、デフレから脱却し、インフレを起こすために、あらゆる策を講じています。
NISA(少額投資非課税制度)などがその1つです。
今後インフレが加速した場合、「タンス預金」で眠らせたままのそのお金は、価値が下がる続けることになり、数10年後には価値が3分の2に! なんて悲しい結果が待っているかもしれません。
それ以外にも、「家が火事で燃えてしまった!」「泥棒に持って行かれた!」「捨ててしまった!」という可能性もあります。
「タンス預金」で現金を置いておくのは、危険がいっぱいです。
これからの日本を考えても、「タンス預金」を習慣にされている方は、株式や投資信託など、自分に合った投資方法や貯蓄方法で、お金の価値を上げることに目を向けてはいかがでしょうか。
もし、分からないことや、自分に何が合っているのかを知りたい時は、信頼できるファイナンシャルプランナーに相談してみてください。
筆者もお待ちしておりますよ。
【参考リンク】
・金融ここが聞きたい! | 金融庁ホームページ
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・日本版ISA『NISA(ニーサ)』の知っトク情報7つ
●ライター/小澤美奈子(ファイナンシャルプランナー)