韓国の保養食『参鶏湯(サムゲタン)』の効果とは?
2014年6月30日 | よみもの韓国の保養食『参鶏湯(サムゲタン)』の効果とは?

こんにちは。国際中医薬膳師の坂本雅代です。
日本でも有名な韓国料理のひとつ、『参鶏湯(サムゲタン)』。美容や健康に良いとご存知の方も多いと思いますが、実は夏にこそ食べたい韓国薬膳料理なのです。今日はその魅力をご紹介します。
韓国の土用の丑の日、伏日(ポンナル)
日本では土用の丑の日に鰻を食べて暑気払いをする習慣がありますが、韓国にも暑気払いをする習慣があります。
韓国には、毎年7月から8月にかけて「伏日(ポンナル)」という日が3度あり(三伏といい、初伏・中伏・末伏の3日間)、初伏から末伏までの三伏の期間は1年で一番暑い時期。この伏日の暑さに負けないように食べる保養食が、実は参鶏湯なのです。ちなみに、2014年の初伏は7月18日、中伏が7月28日、末伏が8月7日となります。
以熱治熱の考え
食欲も落ち、冷たい物を食べたくなる夏。暑い時に熱い食べ物は気が進まない方もいるかもしれませんが、韓国には「以熱治熱(イチルチヨル)」という考え方があり、“熱をもって熱を治める”ことで暑気払いをし、夏バテを予防することを意味しています。
夏は暑さで発汗することが多くなり、汗と共に気も失われがち。スタミナを補給する参鶏湯は、正にぴったりの食べ物といえます。

参鶏湯の効果
参鶏湯に必ず入っている食物の、主な効能をご紹介します。
(1)鶏肉
・体力の低下
・食欲不振
(2)高麗人参
・身体衰弱
・食欲不振
(3)ナツメ
・疲労
・食欲不振
(4)もち米
・疲労
・自汗
・下痢
・体力回復
(5)栗
・胃弱
・下痢
・頻尿
・尿失禁
(6)ニンニク
・食欲不振
・体力回復
・下痢
・抗菌
その他、滋養強壮、夏バテ防止に効果がある他、コラーゲンもたっぷりなので美肌にも効果抜群。暑くて弱りがちになる胃腸の機能を低下させない効果もあります。
おうちで気軽に参鶏湯
レトルトパウチされた手軽な物もありますが、お家で作ってみるのもお薦めです。
丸ごとの鶏肉を手に入れるのは処理も大変ですが、手羽先やもも肉でも大丈夫。高麗人参やナツメなどは中華食品店やネットで手に入りますが、なければスーパーで買えるものだけで作ってもいいでしょう。山芋や玉ねぎ、手に入れば銀杏、クコの実、松の実なども参鶏湯にお薦めです。
ネット上にレシピもたくさんありますが、基本的に味付けは塩だけでコトコト煮るだけ。夏バテ気味だな、最近疲れているな、という時に、是非取り入れてみてくださいね。
【参考文献】
・『家庭で楽しむ韓国薬膳料理 – おいしく食べて、身体の中から元気&キレイに!』新開ミヤ子・著
・『現代の食卓に生かす「食物性味表」』日本中医食養学会・著
●ライター/坂本雅代(国際中医薬膳師)