赤ちゃんもママもいいとこどり「混合栄養」の利点
2014年6月25日 | よみもの赤ちゃんもママもいいとこどり「混合栄養」の利点

【ママからのご相談】
もうすぐ生後3か月になる息子のママです。いろいろ努力したのですが、母乳が足りないためミルクを足しています。本当は完全母乳で育児をしたかったので、ミルクを足すことに罪悪感を感じて、このまま混合栄養を続けていいのか毎日悩んでしまいます。また、手間もかかるし、母乳もミルクも両方あげなければならないことに疲れてしまいました。
混合栄養を続けて、何かメリットはあるのでしょうか?
母乳とミルクの「いいとこどり」をしちゃいましょう。
ご質問ありがとうございます。フリーライターの小柚子です。
最近は母乳育児が推進されるあまり、「母乳で育てなければ」という気持ちを強く持ってしまうママも多いようです。
私自身、2人の子供をどちらも混合栄養で育てましたが、やはり第一子の時には、「どうして完全母乳になれないんだろう」と思いながら、仕方なくミルクを足していました。
そのため、ミルクを足すことに罪悪感を持ったり、自分を責めてしまったりするお気持ちはよく分かります。
しかし、そんな私も、第二子の時には出産前から混合栄養で育てることを決めていました。
それは、第一子の育児中に、混合栄養のさまざまなメリットを感じることができたからです。

混合栄養のメリットとは?
混合栄養は手間がかかるものです。母乳とミルクの割合には頭を悩ませますし、母乳を上げているのにミルク代もかかるし、哺乳瓶を洗浄・消毒する手間も必要。
さらに、母乳を出し続けるために食べ物にも気を遣ったりと、大変な思いをすることも多くあるでしょう。
しかし、それ以上に、母乳とミルクの「いいとこどり」ができるという素晴らしいメリットもあるのです。以下に、混合栄養のメリットを挙げてみます。
(1)預けやすい
母乳もミルクも飲める混合栄養の赤ちゃんなら、赤ちゃんをパパに任せて通院や買い物に行ったり、どちらかの実家に預けて、夫婦で出かけたりすることができます。
また、ママの体調が悪い時にも、無理して授乳する必要がなく、誰かに赤ちゃんをお願いしやすいというのは、大きなメリットですね。
(2)パパも授乳ができる
パパが赤ちゃんにミルクを飲ませることで、パパ自身も「育児をしている」という実感や、親としての喜びを得やすいと考えられます。
(3)夜間授乳が楽
混合栄養の場合は、夜間授乳が母乳のみというママも多いようです。疲れている時は、寝ながら赤ちゃんに授乳する、いわゆる「添い乳」もできますから、体も楽ですね。
(4)卒乳・断乳がスムーズ
混合栄養の場合、母乳もミルクも飲めますし、哺乳びんにも慣れているので、卒乳・断乳はスムーズに進むことが多いと考えられます。
時期が来たら、母乳の量をだんだん減らしていき、ミルク(フォローアップミルク)の量を増やしていくという、ママにも赤ちゃんにも負担の少ない方法で、卒乳・断乳することが可能です。
母乳だけにこだわる必要はありません
少し前になりますが、2006年の日本小児科学会雑誌に、完全母乳で育てられた赤ちゃんが、低血糖による痙攣や脳障害を発症したという事例が発表されました。
また最近では、母乳栄養の赤ちゃんが、くる病を発症する割合が増えているという報告もありました。
完全母乳で赤ちゃんを育てるのは立派ですし、母乳だけで十分に栄養が足りているのであれば、それはもちろん素晴らしいことです。
しかし、完全母乳にこだわりすぎて、赤ちゃんが栄養不足になってしまっては本末転倒です。
赤ちゃんの健康を守るためには、母乳が足りない時にはミルクを足すという判断は正しいものですし、とても大切です。
ミルクを足すことに罪悪感を感じる必要は全くありません。だって、赤ちゃんの健康は何にも代えがたいものなのですから。
「いいとこどり」とはいっても、母乳の大変さとミルクの大変さの両方も持っている混合栄養は、その分手間もかかりますし、特に赤ちゃんの月齢が低い場合は、ママの負担も大きいでしょう。
産後間もない体には辛いですよね。私もそうでした。
今は手間のかかる混合栄養に少し疲れてしまったかもしれませんが、母乳のメリットもミルクのメリットも、どちらも体験できることをプラスに捉えて、もう少し混合栄養を続けてみてはいかがでしょうか。
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●ライター/小柚子(フリーライター)