「モンスターペアレント」にならないための対策3つ
2014年6月25日 | よみもの「モンスターペアレント」にならないための対策3つ

【ママからのご相談】
3人の娘を持つ母です。ママ友グループの中に、「モンスターペアレントではないか」と感じる人がいます。同じグループにいるため、「いつか自分もそうなってしまうのかも」と心配です。モンスターペアレントにならないようにするにはどうしたらいいでしょう。
冷静になって、自分の目で先生のことを判断しましょう。
こんにちは。学習塾で講師をしていた頃、保護者面談回数が非常に多かったメンタルケア心理士の桜井涼です。ご相談ありがとうございます。
親って、他人が自分の子どもをどう扱うかについて、非常に目を光らせてしまいますよね。
それが度を超してしまうことで、「モンスターペアレント」のような発言や行動をさせてしまうのでしょう。
誰だって、自分の子どもは大事です。モンスターペアレントにならないようにするためには、冷静さと節度ある行動、そして、精神状態が左右すると考えられます。

子どものことだけを考えすぎない
私の弟が小学校1年生の頃、「先生、うちの子はデジタル時計しか読めません。だから学校中の時計を変えてください!」と、言い出したお母さんがいたそうです。
冷静にこの話を聞けば、「ちょっと違うな」ということに気がつきませんか。
このお母さんは、一見子どもの為を思って言っているように見えますが、アナログの時計は時間の勉強にとても大切な役割を果たします。
大人になってもアナログ時計はずっと使うということは、周知の事実です。子どもに新たな世界を体験させる為には、大事なことなのに、このお母さんは子どもが大事すぎて、その事実が見えていなかったのではないでしょうか。
自分の目で話をして判断する
先生を判断するのは自分です。ママ友の話は、尾ひれが付いてしまっていることが往々にしてあります。子どもの目から見た話も大事ですが、やはり自分の目で判断することが一番確かです。
そこで大事なのが参観日です。
「先生の服装は?」「子どもに向ける視線は?」「授業内容は?」など見るべき点がたくさんあります。その中でも一番気にして欲しいのは、手遊びをしたり、後ろを向いてしまっている子どもにしっかりと注意ができているかどうかです。
これができる先生は、「子どもを学習で伸ばそう」と考えていることが伺えます。先生が親の目線ばかりを気にしているようでは、逆に信用できないではありませんか。
また、学級便りの文章から読み取ったり、保護者面談など直接話をすることも重要な点になります。
学校との対応は冷静さを欠かない
社会学研究者の永井広克氏が発表した「モンスターペアレントの社会学」という論文の中で、
『ひたすら高圧的で理不尽だが、彼らなりの理由や背景を持っている』
と言っています。その理由として、親が抱える社会的な不安やコミュニティの不足などを挙げています。
不安や寂しさなどは、誰もが少なからず持ち合わせています。しかし、誰かに(特にパートナー)話すことで解消することができます。
もし、それができない状況だったとしても、冷静さを持つように心がけておくだけでも大きな違いが出てきます。
学校や先生をストレスのはけ口にしないようにすることが大事です。対応するときは、感情的になることを抑え、節度ある行動や言動を取りましょう。
それは自分のためでもありますし、子どものためでもあるのです。
ママ友は好きなことを言います。話に尾ひれがつくことだってあります。ですから、話半分の状態で聞いておいて、「信憑性不足の情報」といった位置づけを自分の中でしておきましょう。
自分の子どもが一番大事で、特別視されたいと心の中で思うのはよく分かります(私もそうです)。
しかし、親が冷静さを欠いて、しっかりとした判断ができなくては、「モンスターペアレント」の仲間入りをいつの間にかしてしまうのかもしれません。
そんなことにならないように、落ち着いて話を聞くこと、何か問題が起こった場合は、両者(第三者の話なども)の話を聞いてから、結論を出すようにすることを心がけましょう。
【参考リンク】
・モンスターペアレントの社会学 | 永井広克(PDF)
●ライター/桜井涼(メンタルケア心理士)