中医学に学ぶ! 快適な梅雨の過ごし方
2014年6月23日 | よみもの中医学に学ぶ! 快適な梅雨の過ごし方

こんにちは、国際中医薬膳師の坂本雅代です。
今年(2014年)の梅雨入りは早かったですね。気象庁によると、昨年(2013年)の東京の6月の平均湿度は74%。快適と感じる湿度は50~60%と言われていますので、不快に感じる日が多くなります。
今日は、そんなすっきりしない梅雨を元気に乗り切る秘訣を中医学の視点からご紹介します。
日本人は元々水っぽい体質
ご存知でしたか? 元来、日本人の体質は水っぽいのですが、その要因は2つあります。
(1)冷たいものを飲む習慣がある
レストランに行けば氷入りの水が当たり前のように出てきますが、アジア諸国で氷入りの水を飲むのは日本人くらい。ビールだって常温です。
(2)生魚を食べる食文化がある
日本は、食文化では海に恵まれ、何代も前のご先祖様から魚を生で食べる習慣があり、多民族に比べて水っぽい体質を持っています。元々が水っぽい体質に加えて、梅雨の湿度の影響を受ける事で、私達の体内の水分は飽和状態。そのため、梅雨時は様々な不快な症状が出やすくなるのです。
こんな症状がある方は要注意!
体の中の湿が多いとこんな症状が現れます。
お腹の調子が悪い、頭重感、だるい、むくみ、暴飲暴食してしまう、のどが渇きやすい、水太り、いらいら、くよくよする。お腹をたたくとチャポチャポと音がする人は完全に水分過多の状態です。

梅雨を元気に乗り切る対策
(1)体が濡れたら冷やさない
雨に濡れたり、髪を洗ったり、プールに入ったりしたら濡れたままにせずにしっかり乾かして、体をよく温めること。濡れたままだと体が冷え、梅雨時に弱っている消化器系の働きが更に低下します。
(2)体の余分な水を排泄させる
運動で汗をかいたり、サウナやお風呂で汗をかいて、余分な水分を排泄させましょう。その場合は、汗をそのままにして体を冷やさないように注意が必要です。
梅雨に食べたい食材
(1)利水の効果がある食材
『利水』とは、体に必要のない悪い水をスムーズに排泄に結びつける働きがあること。冬瓜、胡瓜などの瓜のつく野菜、金針菜、ハモ、小豆など。中でも、とうもろこしのひげは強い『利水』の効果を持つ食材。実よりもひげの方が強い効能を持っているので、野菜で買ってきて茹でる場合は、是非ひげを残して茹でてください。効能が高まります。
(2)体を温める食材
体の水分が多いぶん、体が冷えやすくなっています。温める効果を持つ食材を利用しましょう。お茶なら紅茶がお薦めです。緑茶、ウーロン茶、プーアル茶は涼性のお茶なのに対し、紅茶は温性です。
(3)先人の知恵を利用する
刺身のツマにはガリとして生姜、紫蘇、大根が添えられますが、どれも胃を温めて湿気を除き、消化不良や胃もたれを防いでくれます。生魚を食べる時は食中毒防止のためにも是非ツマを一緒に食べてください。
不快な症状が出やすい梅雨ですが、できる事を少しだけ気をつけて、元気に毎日過ごしましょう。
●ライター/坂本雅代(国際中医薬膳師)