貯金ゼロでも大丈夫? 30代の平均貯蓄額とバランスの良いお金の使い方
2014年6月20日 | よみもの貯金ゼロでも大丈夫? 30代の平均貯蓄額とバランスの良いお金の使い方

【ママからのご相談】
雑誌やテレビなどで、30代の家庭の平均貯蓄額を目にすると、とっても落ち込んでしまいます。毎日の生活がいっぱいいっぱいで、貯金もそんなにありません。将来もとっても不安です。このままでいいのでしょうか。
過ぎたるはおよばざるがごとし。
ご質問ありがとうございます。ファイナンシャルプランナーの木村由香里です。
落ち込む必要は全くありません。できることを今日から始めていきましょう。

平均貯蓄額は偏った額になりがち
貯蓄額があまりにも多い人が混じると、平均額は高額貯蓄である世帯の金額に引き上げられてしまいます。具体例で見てみましょう。
貯蓄額が0、100万、120万、150万、200万、300万、3000万である7世帯があったとします。この場合の平均額は、約553万円になります。
一般的な家庭の貯蓄額を測るには、平均額ではなく「中央値」を見た方が現実的な値になります。
上記の例では、真ん中に位置する中央値は、150万円。平均値と中央値では、中央値の方が実感に近い金額になるかと思います。平均貯蓄額に振り回されないようにしましょう。
平成25年の金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」調査によると、全世帯の31%は貯蓄がゼロという結果でした。
依然として家計が厳しい現状がデータにも現れています。下を見て安心するのも危険ですが、上ばかり見て落ち込んでいても何も解決しませんから、前を向いていきましょう。
貯蓄があっても不安は消えない
ファイナンシャルプランナーとしてお伝えしたいことは、いくらたくさんの貯金があっても、将来の全ての不安が消え去ることはないということなのです。
貯金が趣味である人は、高齢になってからの精神疾患リスクが高いというデータもあります。
お金はバランスよく使ってこそ、健全な使い方なのです。
30代の伸び盛りな世代の方なら、年収の10%を貯蓄に、5%を自己投資に回して、ストック(貯めること)だけでなく、フロー(稼ぐ力)も意識しましょう。
稼ぐ力を育てていくと、貯蓄が少なくても、必要以上に不安になることはありません。
それに、稼ぐ力を養っていけば、貯蓄も後から追いついてきますよ。
お金の問題において、若さは最大の武器なのです。学ぶ時間、お金を育てる時間など、時間がたっぷりとあるのですから。
お金だけでなく、貴重な時間も浪費しないで、投資に回しましょう。
●ライター/木村由香里(ファイナンシャルプランナー)