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離婚裁判の前に夫婦の仲介をする「調停委員」についての基礎知識

離婚裁判の前に夫婦の仲介をする「調停委員」についての基礎知識

【女性からのご相談】
現在、離婚を検討しています。夫がモラハラ気味で、直接話し合いをすることが難しく、調停離婚も視野に入れています。でも、調停では調停員という方がいて、どちらかの肩を持つことが多いという噂も聞きます。夫は外面がよく、不安になりました。調停ではなく、すぐに離婚裁判を起こした方がいいのか迷っています。調停委員とは、どんな人たちなのでしょうか。

a 片方ずつ話を聞き、まとめてゆくのが調停委員の仕事です。

ご相談ありがとうございます。調停離婚経験者のフリーライター、川中利恵です。

モラハラ気味の夫の場合、自分のモノ認定した人以外にはとてもいい人に思われているため、周囲に理解してもらえないケースが多いと聞きます。ご苦労されましたね。しかし、理不尽な発言をガマンし続ける必要はまったくありません。

でも、落ち着いてください。現行の法律では、離婚裁判をいきなり起こすことはできません。まずは調停、つまり、夫婦関係調整調停を行う必要があります。

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離婚調停の流れを知っておこう

離婚調停の流れは、裁判所や調停の混み具合で多少変わります。

しかし、ほとんどの場合は、調停を申し立てた「申立人」が呼び出され、家事審判官(裁判官)1名と、男女1名ずつ2名の調停委員に対し、自らの主張を行うことからスタートします。離婚したければその理由、そして、条件なども問われるでしょう。

とにかく最初に、なぜ、どんな条件で、離婚をしたいのかを調停委員に伝える必要があります。

それから、申立人は調停室から退出し、申立人専用の待合室でまた呼ばれるのを待ちます。その間に、相手側が呼び出され、申立人の主張を伝えると共に、希望を聞き取り調査します。

そして、再び申立人が呼び出され、相手側の主張や希望を伝えられます。

調停では、申立人とその相手が顔を合わせて口論することはありません。調停は、家事審判官と調停委員を介した伝言ゲームのような形で進められるのです。

どんな人が調停委員になるの?

日本調停協会連合会によると、40歳以上の一般市民から選ばれた弁護士のほか、各種専門家や社会で幅広く活躍した有識者が、調停委員に選ばれるとのこと。弁護士さんの場合もありますし、学校の先生だった方、地元の民生委員などの場合もあります。

立場としては、非常勤の国家公務員です。年齢層は60代が最も多く、次いで50代の方が多いというデータが公表されています。

調停委員は、人生経験の豊富な方々が選ばれていますが、調停中に年代的なギャップを感じることがあるかもしれません。話の仕方や人当たりも、やはり調停委員によってかなり異なるようです。いずれにせよ、仲介してもらう調停委員を、申立人が選ぶことはできません。

調停委員を味方に付ける方法!?

調停は、調停委員を介して互いの主張を伝えていくことで、落としどころを見つける作業です。調停委員も人ですから、あまりひどい主張をすれば、たしなめることもありますし、平均的な落としどころを提案することもあります。

説明が足りなかった場合は、片方の主張を鵜呑みにされたりすることも……。

また、人は見た目ではないのですが、やはり派手で、だらしないなどの印象を持たれれば、話の中身が相手側に傾くこともあるでしょう。

調停委員にも納得してもらい、自分の主張を有利に進めるためには、やはり浮気なら浮気、モラハラならモラハラの証拠を揃え、主義主張を冷静に、かつ理論的に行うことが第一歩です。

私も離婚調停中、調停委員に『奥さんが浮気ぐらい黙認していれば離婚にはならなかったのでは』と言われたことがあります。それでも、結果的には納得できる条件で離婚できました。


どうしても動揺したり、逆上したりしてしまいしがちな場面ですが、ここはやはり冷静になって話ができる方が有利でしょう。

自分だけでは心細いと思ったときは、弁護士さんに頼るのもひとつの手です。費用は多少かかりますが、心理的負担はかなり削減できます。弁護士費用は、法テラスなどを利用すれば、分割払いも可能です。私も利用させていただきました。

相談者さんも、一刻も早く安心して暮らす自由を勝ち取れることを、心よりお祈りいたします。

【参考リンク】
公益法人 日本調停協会連合会
日本司法支援センター 法テラス

【関連コラム】
離婚時に「夫婦関係調整調停」を申し立てるメリット

●ライター/川中利恵(在宅ワーカー)

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