子育てママが資格を活かして再就職するための心構え3つ
2014年5月23日 | よみもの子育てママが資格を活かして再就職するための心構え3つ

【ママからのご相談】
43歳の主婦で、子供が2人います。下の子が小学4年生、上の子は来年から中学生になります。そろそろ、パートで働きたいと思うのですが、10年以上のブランクがあり、以前働いていたときの経理事務職で雇ってもらえるかどうか、不安です。
それなので、何か資格を取ってから、仕事を探そうかと考えています。実際に、資格を活かして働いているママさんはいるのでしょうか?
経験や得意分野を活かせる資格を! まずは何ができるか考える。
こんにちは。ママライターのKOUです。
相談者さんのご相談である「資格を活かして働くママ」というのは、おそらく、ご出産されてから新たに資格を取得して、働いているママさんのことを指しているのだと思われます。
ある大手通信講座によると、子育てや家事、仕事を両立させたいママさんにお勧めの資格として、「医療事務」「調剤薬局事務」「介護事務」「歯科助手」「行政書士」などが挙げられています。
これらの資格は、パート勤務や自宅開業といった働き方が選びやすく、女性に人気のお仕事につながるとのことですが、現実は、「経験がないと資格を取っただけでは働けなかった」と後悔する声も少なくありません。
とはいっても、資格を得てから、活躍されているママさんも決してゼロではありません。
今回は、出産後に資格を取り、それを活かして働いているママさんたちの“声”を取材して、資格を活かして働くための心構え3つをご紹介します。

(1)「前職の経験を活かせる資格」
『娘が幼稚園のときに独学で簿記2級を取りました。もともと、事務系の仕事をしていましたが、経理業務は経験がありませんでした。
事務職で働くにあたって、数字を扱う業務の求人も多く、事務経験(8年)に加えて資格を取ることで、幅広く(求人に)応募することができました。おかげで、会計事務所で働くことができました』(小学3年生女の子ママ/39歳・会計事務所の事務員)
『保険会社(6年・営業職)で働いていた頃は、資格は車の免許以外は持っていませんでした。育児中にFP(ファイナンシャルプランナー)技能士2級を取得。
FPの資格は、年金や保険、資産運用、税金などライフプランニングに必要な知識を学ぶことができ、保険代理店に勤めることができました。もちろん前職での経験も十分に活かせています』(小学生と幼稚園の男の子ママ/34歳・保険代理店の相談員)
(2)子育て・家事経験など「主婦ならではのスキルを活かせる資格」
『結婚前は、中学校の教員をしていました。中学校の非常勤講師として復職しようと考えていましたが、7年前に保育所でボランティア活動をしてから、小さい子供のお世話をすることが楽しくなり、頑張って資格を取りました。
ボランティア活動や子育て経験が評価され、何社か内定もいただきました。今は、近所の公立保育園で働いています』(小学6年男の子ママ/43歳・保育士)
『40歳で再就職しました。介護系の求人が多かったこともあり、ホームヘルパー2級(現・介護職員初任者研修)を取ってみました。ヘルパーの資格は、比較的短期間で取れること、費用も安めだったこと、家事経験が活かせることなどが主婦にお勧めだと思います。
訪問介護をしており、お年寄りのお宅で主に家事全般を任せられています。きつい仕事のイメージがありますが、短時間でも働けるので、長時間勤務が難しい私にとっては助かっています』(中学生の男の子と小学生の女の子ママ/45歳・介護職員)
(3)起業も狙えるかも!? 「得意分野の資格」
『前職は、飲食店で調理補助をしていました。高校生のころから、自分で作って食べるのが大好き。ママ友を招いて自宅で新作のお料理を食べてもらったりしているうちに、皆さんから「教えて!」と頼まれ、週に1日だけ料理教室を自宅で開くことになりました。
教室で、お料理のレシピだけではなく、食関連の情報や知識も紹介したいと思って、野菜ソムリエの資格を取りました。野菜や果物の種類や保存法などの専門知識を得ることができ、役に立っています』(幼稚園の女の子ママ/35歳・料理教室の先生)
『留学経験があって、英語は得意。育児中にTOEICのテストを受けてみたら、800点台をとることができました。語学力を活かそうと、ある会社が運営している子供向け英語教室の先生の求人に応募したら、採用されました。
準備が大変ですが、自宅で教えられるので移動時間も必要なく、自分にとっては天職です』(中学生と小学生の女の子ママ/41歳・英語教室の先生)
参考になりましたでしょうか?
取材したママさんたちは、これまでの経験や得意分野がベースにあり、その上で資格を取られて、働き方を選ばれています。ですから、自分自身に関連のない資格を徒らに取ったとしても、なかなか仕事へと結びつけることは難しいと思います。
最後に、企画編集会社「ブックシェルフ」代表取締役、佐藤留美さんの著書で『資格を取ると貧乏になります』(新潮新書)の一部を紹介させていただきます。
『長年、文系資格の最難関として、その名を轟かせてきた弁護士。だが今、その地位が脅かされている。国税庁の調査によると(2011年)、「所得100万以下の弁護士」は、登録弁護士の8割を超える2万7094人のうち実に22%に及んだ(所得は収入から必要経費を引いた金額。個人事業主が対象)。つまり、5人に1人が生活保護受給者並みの低所得にあえいでいるというのだ』
とにかく資格にこだわらず、何ができるのか、何がやりたいのか、再考してみてくださいね。
【参考文献】
・『資格を取ると貧乏になります』佐藤留美・著
●ライター/KOU(ママライター)