• TOP
  • 妊娠・出産
  • 基礎知識
  • 産後の入院生活が変わる! 「母子同室」と「母子別室」の違い3つ

  • 産後の入院生活が変わる! 「母子同室」と「母子別室」の違い3つ

産後の入院生活が変わる! 「母子同室」と「母子別室」の違い3つ

産後の入院生活が変わる! 「母子同室」と「母子別室」の違い3つ

【女性からのご相談】
昨年結婚し、妊娠を望んでいます。近隣にいくつか産院や病院があるのですが、母子同室のところと別室のところがあるようです。それぞれどのような特徴があるのでしょうか

a まずは何を優先するかを決めよう。

もともと母子別室は、戦後出産が病院で行われるようになって以降、当たり前とされて来たスタイルです。新生児の管理がまとめて行えるという利点の他に、母親や面会者からの感染予防の目的もありました。

「生まれたばかりの赤ちゃん」と「母親を引き離すこと」の弊害が注目され始めて以降、欧米では、1970年代から急速に姿を消し始め、現在ではほとんど見ることができません。日本はというと、別室か同室かの判断は各施設に任されているようです。

今日は、それぞれの特徴についてお話ししたいと思います。

writer10

(1)感染予防の視点から

以前は、母親や面会者から病原菌が移行する恐れがあるとされ、赤ちゃんはベビー室で管理されていました。母親であっても、入室は授乳時のみで、面会者はガラス越しに見るだけでした。現在も、母子別室の病院は面会に厳しいところが多いようです。

現在では、母子同室によって感染のリスクが上がることは、ほとんどないことがわかっていますので、あまり神経質に心配することはありません。

ただし、もっとも心配なのは、面会に来る子どもたち(赤ちゃんにとってのきょうだい兄や姉)が、万が一麻疹や水疱瘡などの、感染性の強い病気を持っている場合です。これを防ぐため、学童期にある子どもの面会を一切禁止している病院もありますが、これは母親と子どもたちにとって、相当な精神的負担となることが簡単に予想できます。

感染リスクでいえば、新生児を1か所にまとめているために起こる赤ちゃん同士の感染、つまり、院内感染の方がよほど脅威です。これは、ベビー室勤務の看護師や助産師が、手洗いをせずに多くの赤ちゃんに触れることによって、病原菌を伝播するために起こります。

日本でも、一時期、ベビー室におけるMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)の感染が問題となり、それ以降は、勤務者も手洗いの励行を徹底するようになりました。

(2)母乳育児の視点から

出生後30分以内に初めての授乳を行うこと、また、赤ちゃんが欲しがる時に欲しがるだけ授乳することで、母乳分泌が促進されることが、研究によって明らかになっています。この点では、母子同室で、いつでも授乳ができる体制が最も適していると言えます。

ただし日本では、母子同室でありながら、授乳だけは、赤ちゃんを連れて授乳室に行かなければならない病院が、数多くあります。それだけでなく、授乳は3時間毎と、厳しく決められている施設もあるようなのです。これでは、母子同室の利点を全く活かせていません。3時間毎に赤ちゃんを連れて移動するなら、いっそのこと初めから母子別室で、自分だけが赤ちゃんのところへ行く方がよほど効率が良いし、母親の身体的負担も少ないはずです。

また、逆に、母子別室でも、授乳のときだけ赤ちゃんを大部屋に連れて来るというスタイルの病院もあります。これは、授乳室の広さなどに関係しているのかもしれません。

いずれにしても、母乳分泌を促進するには、「赤ちゃんが欲しい時に授乳できる施設」を選ぶのがベストです。同室、別室に関わらず、その点を良く確認しましょう。

(3)母親の休息

言うまでもなく、出産には体力を使います。本来なら何日間かゆっくり休みたいところですが、母となったからには、なかなかそうもいきません。その点、母子別室ならば、多少は休むことができます。授乳は仕方ないとしても、それ以外の時間は看護師や助産師が赤ちゃんを見ていてくれるからです。夜中に泣き声で起こされることもありません。

それに対して、母子同室には覚悟が必要です。慣れるまでは自分でおむつを交換するのも大変ですし、赤ちゃんが泣くたびに同室の人に気を遣うかもしれません。夜中もずっと泣いている赤ちゃんもいます。


母子同室が良いか、別室が良いかは、自分が何を一番優先するかによって違います。

母乳育児の確率を優先するなら、授乳時間に取り決めのない母子同室の施設が、産後の体力回復を優先するなら、母子別室の施設が適していると言えます。まずは情報収集をしっかりとして、ご自分に合った施設を選べると良いですね。

記事をシェアしよう!

twitter facebook line

PICKUPこちらもおすすめ

PICKUP こちらもおすすめ

CATEGORY

カテゴリーから探す