妊活における睡眠の重要な役割とは
2014年5月5日 | よみもの妊活における睡眠の重要な役割とは

【女性からのご相談】
妊活中の27歳です。早く妊娠したいので、妊娠するためにいい食べ物やサプリメントなどを試していますが、なかなか授かりません。毎日の生活の中で、妊娠しやすい体になるためにできる工夫などは何かありますか?
妊娠しやすい体づくりには、早寝早起きが一番大切です。
ご相談ありがとうございます。フリーライターの小柚子です。
妊活中、生活の中でさまざまなことに気を遣って過ごされていることと思います。
赤ちゃんを授かるために大切なことは、まず生活習慣を整えること。食事や睡眠がホルモンバランスに大きな影響を及ぼすことはご存知ですよね。
特に睡眠は女性ホルモンと深い関係があり、不妊体質を改善するための第一歩は早寝早起きであるとも言われています。
今回は、妊活中のカップルにオススメしたい早寝早起きのメリットをご紹介します。

早寝早起きはなぜ大切なの?
午後10時〜午前2時の間は「ゴールデンタイム」という呼ばれ方をすることがあります。
これは、成長ホルモンが分泌されやすい時間であるため。
成長ホルモンは、怪我や疲労などによって傷ついた体の細胞を修復する働きがあります。また、妊娠に関係する女性ホルモンの分泌にも、成長ホルモンが大きく関わっています。
最近では、不妊治療において成長ホルモン剤を使って卵巣を刺激するケースがあることからも、成長ホルモンが妊娠に大きな役割を担っていることがわかりますね。
そして、睡眠は自律神経の働きを調節するためにとても大切です。
自律神経は全身の血液の流れや内臓の動き、精神活動を支える神経。睡眠不足になると自律神経がうまく働かず、血行が悪くなる、ホルモンバランスが乱れるなど、妊娠には好ましくない影響があらわれます。
つまり、適切な時間帯にしっかりと睡眠を取ることで自律神経が正常に働き、成長ホルモンが適切に分泌されれば、女性ホルモンのバランスが整い、排卵や子宮内膜の生成もうまくいくため、結果的に妊娠しやすい体を作ることにつながると考えられます。
睡眠不足は不妊を加速させる?
では、睡眠不足の状態が続くと、本当に妊娠しにくくなるのでしょうか。
イギリス、サザンプトン大学のリンデン・ストッカー医師の研究では、「シフト勤務の女性は、定時勤務の女性よりも生理不順の確率が33%高く、また夜勤に従事する女性は生理不順率が高いだけでなく、流産のリスクも増加する」ことが明らかになりました。
実際にシフト勤務や、夜勤のあるお仕事をしている女性にはショッキングな結果ですが、不規則な睡眠が女性ホルモンの乱れを招き、ひいては不妊や流産の要因となり得ると考えられているのです。
また、デンマークのサウザンデンマーク大学の研究では、男性が睡眠不足になると、男性ホルモンであるテストステロンが不足し、精子の質や量を低下させることがわかりました。
睡眠はホルモンの正常な分泌に大きく関わっているため、睡眠不足になったり、寝る時間が一定でなかったりすると、男女ともに妊娠しにくい体になると考えられます。
夜に眠れない時は、その分昼間寝ることで体力は回復しますが、ホルモンバランスはそうではありません。ホルモンバランスを整えるためには「朝起きて夜寝る」というリズムが大切なのです。
いかがでしょうか。
妊活の第一歩は、早寝早起きから。そして、早寝早起きは安産にも効果的であるだけでなく、赤ちゃんが生まれてから生活リズムを身につけさせる上でもとても大切になります。
仕事の関係でなかなか難しいこともあるとは思いますが、妊活だけでなく、その先にある我が子との生活のためにも、できるだけ規則正しい生活ができるように努力してみましょう。
●ライター/小柚子(フリーライター)