普通分娩との違いとは? 帝王切開手術の基礎知識4つ
2014年4月29日 | よみもの普通分娩との違いとは? 帝王切開手術の基礎知識4つ

【女性からのご相談】
現在妊娠32週です。妊娠経過は順調で帝王切開の予定はないのですが、やはり万が一のことを考えると不安です。
帝王切開と普通分娩では、その後の経過なども変わって来るのでしょうか?
> 日本人の約5人に1人が帝王切開(P1)
> 帝王切開が増加しているワケ(P1)
> 海外では帝王切開がブームに!?(P2)
> 帝王切開には2種類ある(P2)
> 帝王切開が行われる手順(P2〜3)
> 普通分娩と帝王切開の違い(P3)
> 帝王切開で考えられるリスク(P4)
> 多くのママが悩む“帝王切開への偏見”(P4)
> 帝王切開後はお腹の傷が目立たないようにケアしよう!(P4)
> まとめ(P4)
普通分娩のつもりで準備していても、現実には帝王切開になることもあり得ますよね。
特に、上のお子様をお持ちの方は、入院期間が延びたり、傷口が痛んで育児に支障が出たりなど、心配なことも多いかと思います。
そこで今日は、助産師としての今までの勤務経験を踏まえて、手術から退院後までの一般的な流れをご紹介します。
帝王切開の語源は間違いから!?

日頃からよく耳にする“帝王切開”ですが、なせ“帝王”という言葉がつくのか疑問に思ったことはありませんか?
なにか壮大な由来があるのかと思いきや、実は和訳の際に翻訳ミスされたことが語源となっているようです。
もともとの言葉はドイツ語の「kaiserschnitt」となります。
頭についている「kaiser」は本来古代ローマの“カエサル”の意味ですが、翻訳の際にカイザー(皇帝)として誤認してしまったとされています。
ちなみに、なぜカエサルの名がついているかというと、古代ローマでは帝王切開が多く行われていたとされ、その象徴として当時の政治家であるカエサルが使われたようです。
ちなみに、カエサルは死に際のセリフ「ブルータス、お前もか」で有名ですね。
日本人の約5人に1人が帝王切開

お腹を切り裂くことから悪いイメージを持たれがちな帝王切開。しかし、平成23年の厚生労働省の発表によると、帝王切開をして出産した人は19.2%とされています。
つまり、日本人の約5人に1人のママが帝王切開を経験することになり、他人事ではないことが分かります。
ちなみに、海外の帝王切開事情では、中国が約60%、ブラジルが約50%、イタリアや韓国が35〜46%とも言われています。
帝王切開が増加しているワケ

帝王切開をする人の割合は、この20年でほぼ2倍も増加しています。
なぜ、帝王切開をする人が増えてきているのでしょうか。
まず挙げられる要因としては、出産の高齢化が挙げられます。日本では晩婚化が進んでいますが、その影響で高齢出産をする人も増えています。
ある程度高齢になると、出産の際に体への負担やトラブルのリスクが増加するため、帝王切開が選択されることが多いといいます。
次に、病院側のリスク回避が挙げられます。
自然分娩ではトラブルも多いため、医療事故や訴訟を未然に回避する目的で帝王切開を行う病院が増えてきているようです。
→次ページでは、海外の帝王切開事情について見て行きましょう。