トップアスリートの両親に学ぶ! スポーツが得意な子に育てる秘訣
2014年4月29日 | よみものトップアスリートの両親に学ぶ! スポーツが得意な子に育てる秘訣

【ママからのご相談】
子供が3歳になり、走ったりジャンプしたりいろいろな事ができるようになってきました。スポーツが得意な子に育てたいと思うのですが、どのような事に気を付けて育てれば良いでしょうか?
トップアスリートの育った家庭には共通する特徴がありました!
ご相談ありがとうございます! 転勤族フリーライターのパピルスです。
ご相談者様のお子さんは、日に日に新しい事ができるようになっていく急成長の時期ですね! 「こんなことができるの!? この子天才かも!!」と思う親御さんも多いのでは?
今回は、トップアスリートを育てたご両親の経験談を基にまとめられた論文を参考に、「スポーツが得意な子」に育てる秘訣を探ってみたいと思います。

たくさんの外遊びと親子で一緒にスポーツを楽しむことのすすめ
女子テニス界で、長くトッププレイヤーとして活躍してこられた杉山愛選手のお母様(長年杉山選手のコーチを務め、現在は「スポーツ教育」を研究。次世代スポーツ教育協会の代表理事)である杉山芙沙子さんが、2010年に発表した論文を見てみましょう。
論文の中で杉山さんは、宮里藍選手(ゴルフ)、錦織圭選手(テニス)、石川遼選手(ゴルフ)という若い頃から日本のトップクラスで活躍する選手を育てた両親へのインタビューと、ご自身が杉山愛選手(テニス)を育てた母としての経験をまとめておられます。
宮里選手、錦織選手、石川選手、杉山選手に共通する幼児期の特徴とは?
まず、この4選手に共通する幼児期の特徴として、寝食以外の時間は、ほとんどの時間を外遊びしていたこと、一人遊びよりも友達や兄弟家族と一緒に遊ぶ事を好んでいたことが挙げられています。
また、この4選手は全員が3歳〜5歳というかなり幼い頃から、ゴルフやテニスを始めているのですが、興味深いのは、その競技を始めた理由。
4選手のご両親全員が「家族の団らんが目的だった」と答えている点です。
もともとトップアスリートを育てようと思って競技を始めさせたわけではなく、「家族が一緒に楽しめればいい」という思いで、遊びながらスポーツを楽しんでいたのだそう。
ご両親へのインタビューの中で錦織選手のお父様の言葉が印象的です。
『テニスは「家族のきずな」みたいなものでした。当時を思うと、その頃が本当に、子どもにとっても親にとっても凄くたのしかった(中略)「家族の絆」ですね。みんなで遊び気分でやるテニスは最高でした』 (錦織圭選手の父)
楽し気な情景が目に浮かぶようです!
家族で和気あいあいとスポーツに親しむことで、身体を動かす喜びや楽しさを知ったこと。それが後々、スポーツ界で活躍する才能を開花させる出発点になっていったのでしょう。
子供を持つ親としては、「家族で一緒に」というところが、非常に納得できる部分でした。
親が熱くなりすぎないこと
幼児の場合、いきなりスクールに入れても、「お母さんと離れたくない」とか「決められた練習をするのがつまらない」などの理由で、スポーツ自体を楽しめない場面をよく見かけるからです。楽しめないどころか「もう行きたくない」と言い出すお子さんも数多くいます。
幼児のうちは遊びの延長で親子一緒にスポーツを楽しみ、子供に「もっと上手になりたい」という向上心が出てきたらしめたものですね。
とはいえ、スポーツ好きに育ったとしても「スポーツが得意」になるかどうかはわかりません。
ではもし、スポーツが得意な子に育たなかったら失敗なのでしょうか? そうではありません。
杉山さんは「家族の団らん」を目的として始めたスポーツによって、親子のコミュニケーションが生まれ、子供が育つだけでなく、親が成長できる機会にもなったと述べています。これは子育てにおける素晴らしい成果ではないでしょうか。
また、親が子供にスポーツでの成功を期待するあまり、上手くできないと叱ったり、過剰な練習を強いることで、子供がスポーツ自体を嫌いになってしまう危険性があることも言及されています。これでは本末転倒ですよね。「親が熱くなり過ぎないこと」は常に心に留めておきたいところですね。
いかがでしょうか?
ご相談者様も、この春はパパも交えてお子さんとたくさん外で遊び、一緒にスポーツを楽しむことから始めてみては?
【関連コラム】
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【参考リンク】
・日本の若手トップアスリートにおける両親の教育方針に関する一考察(PDF)
●ライター/パピルス(フリーライター)