娘とも“端午の節句”のお祝いをしよう! 菖蒲湯の作り方
2014年4月28日 | よみもの娘とも“端午の節句”のお祝いをしよう! 菖蒲湯の作り方

【ママからのご相談】
ウチには娘しかいません。端午の節句のお祝いとはどのようなものでしょうか?
菖蒲湯で疲れた体を癒やし、新茶と一緒に節句のお菓子を堪能する。
ご相談ありがとうございます。ママライターの*SARASA*です。
良い季節になりましたね。五月晴れの空を泳ぐ鯉のぼり、みているだけで清々しいものですね。

鯉のぼりは、立身出世の願いが込められている
鯉のぼりの由来は、中国後漢書の故事に出てくる、黄河上流にあるとされる「竜門の伝説」から連想されたものです。この急流をのぼった鯉だけが、竜になれることから、男の子の立身出世を願って鯉のぼりを立てられました。この故事は“登竜門”という言葉の由来にもなっています。
鯉のぼりの一番上に飾る、五色の吹き流しは、古代中国の五行説の魔除けの意味があります。
この風習は、江戸時代になってからのもの。はじめは、京都の石清水八幡宮の門前町で売られていた土産物の小さな「紙のぼり」が全国に持ち帰られ、5月に立てられるようになったのではないかといわれています。
端午の節句は「女の日」!? “菖蒲(しょうぶ)”と“蓬(ヨモギ)”に込められた思い
「端午の節句」は、今では、男の子の健やかな成長を願ってお祝いしますが、これも江戸時代に入ってからのこと。現代では、新暦の5月にお祝いしますが、旧暦では、ちょうど梅雨の時期にあたります。
田植えの時期を前にして、早乙女(さおとめ)たちが菖蒲や蓬など、薫草で葺いた小屋にこもり身を清める「女の日」でもあったという説があります。
この香り高い菖蒲は、尚武(武道・武勇を重んじること)に通じることから、武家の家で、出世を願う日として定着したのです。昔は、軒先に菖蒲とヨモギの葉をさして魔除けにする風習がありましたが、現代ではずいぶん珍しくなってきました。
夏病み防止に、菖蒲湯に入ろう!
菖蒲の葉や根を入れたお湯につかる習慣は今も残っています。
スーパーや花屋では、この時期、菖蒲や、蓬とセットになった「菖蒲湯セット」などが売られています。
菖蒲の効能としては、血行促進、保温作用、神経痛、肩凝り、打ち身などにきくとされ、古くから夏病みしないとされています。また、その清々しい香りから、アロマテラピー効果も期待できるそうです。
菖蒲湯の作り方
(1)十本ほどの菖蒲を束ね、空の浴槽に入れます。
(2)少し熱めのお湯をはり、香りを出します。
(3)香りが出てきてから、冷ましてから入ります。
端午の節句といえば、おいしい和菓子!
端午の節句と言えば、粽(ちまき)に柏餅……と、美味しい和菓子が店頭に並びます。
“柏餅”は、子孫繁栄を願い江戸時代から、“粽”の発祥は、古代中国は楚の武人、屈原(くつげん・紀元前343年1月21日頃-紀元前278年5月5日頃)にまでさかのぼります。
正義感の強い屈原は、腐りきっていた政治を改革しようとしますが貶められ失脚。その後川に身を投げます。
命日である5月5日、彼を慕う人たちが、供養のために川に投げ入れたのが始まりとされています。
日本では、災いを避ける食べ物とされ受け継がれてきました。粽(チガヤ・笹・竹の皮)や、柏の葉は殺菌作用が高く、昔の人は保存食として重宝したことでしょう。
5月は、新茶も出回る季節です。香り高いお茶と一緒に、おいしい端午のお菓子を楽しんでみてはいかがでしょうか。また、この時期は、温泉や銭湯でも菖蒲湯を用意しているところも。
効能にあやかって湯船につかりに、出かけてみましょう。
【参考文献】
・『赤ちゃん、子供のお祝いごとと季節のイベント』(河出書房新社)/岩下宣子・監修
・『歳時習俗事典』(八坂書房)/宮本常一・著
・『春夏秋冬えごよみ事典』(平凡社)/平凡社・編
・『和ごよみ楽しむ四季暮らし』(学研)/岩崎眞美子・著
・『赤ちゃんのお祝い子供のお祝い』(金園社)
・『しあわせを呼ぶ和ごよみ』(学研)/岩崎眞美子・著
●ライター/*SARASA*(ママライター)