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乳幼児期のテレビの見せ方ルール3つ

乳幼児期のテレビの見せ方ルール3つ

【ママからのご相談】
3歳5か月の息子がいます。私が家事をしているときは、必ず息子にテレビを見せています。もちろん、子供向けの番組を選んで見せてはいますが、好きな番組が終わると、次はDVDを見たがります。息子は一度見入ってしまうと、ずっとテレビの前にいるので、困ってしまいます。

長い時間テレビを見ると、頭に良くないと聞いたことがありますが、本当なのでしょうか?

a 長時間視聴は脳の発達に悪影響があるかも。テレビの視聴もルールを決める。

こんにちは。ママライターのKOUです。

テレビの世界は、好奇心のあるお子さんにとっては、とても魅力的に感じるのでしょうね。息子さんも、おそらく、いろいろなことに興味を持っている時期なのだと思います。ただ、相談者さんが危惧されている通り、テレビの視聴については、既に専門家から慎重な意見が出ています。

東北大加齢医学研究所の川島隆太教授(脳科学)らのグループが、2013年11月、「子供が長時間テレビを見て生活すると、脳の発達や言語能力に悪影響を及ぼす」との研究結果を発表しています。調査は、宮城県の5~18歳を対象にテレビの視聴時間や家庭環境を調べ、脳画像の解析や知能テストなどを実施。テレビを長時間見た子供の方が、脳の成長が遅い傾向が出たそうです。

さらに、2004年には、大学の医師から開業医までの小児科医が集まる日本小児科学会でも、「乳幼児のテレビ・ビデオの長時間視聴は危険です」と題する緊急提言をしています。同学会、こどもの生活環境改善委員会が、乳幼児のテレビ視聴の発達への影響を検討するため、3地域の1歳6か月健診対象児、計1900人について、視聴時間別に“運動”“社会性”“言語”の発達状況などを調査しました。

その結果によると、

「長時間視聴は1歳6か月時点の意味のある言葉(有意語)の出現の遅れと関係がある」
「特に、日常やテレビ視聴時に親子の会話が少ない家庭の長時間視聴児で有意語出現が遅れる率が高い」
「このようなテレビの影響にほとんどの親が気づいていない」

以上の3点が明らかになりました。

これまでの専門家による調査結果を踏まえると、長時間のテレビ視聴が乳幼児の脳へ何かしらの影響を与えているのは確かなようです。だからといって、テレビを全く見せないと決めてしまうのも性急すぎるかもしれません。

そこで、テレビの視聴に敏感な現役ママさんたちのご意見などを参考にしながら、乳幼児期におけるテレビの見せ方を考えてみます。

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(1)『テレビをつけっぱなしにしない』

日本小児科学会での調査では、子どもの近くでテレビが8時間以上ついている「長時間視聴家庭」の子どもは、有意語出現の遅れの率が高いことが明らかになっています。「長時間視聴家庭」では、親の生活がテレビに偏って親子の関わりの時間や、他の活動が少なくなるなど推察されています。

実際、ママさんの意見でも、テレビのつけっぱなしに対する弊害を訴えています。

『テレビは一方的に情報を流してくるので、(情報処理能力の未熟な)小さい子供には悪影響だと思う』(2歳の男の子ママ)

『テレビに依存すると、外遊びをしたがらなくなってしまうのでは』(3歳の男の子ママ)

『以前はニュース番組をつけっぱなしにしてしまうことがあったが、暴動シーンなど残酷な場面も出てくるので子供がいるときは見るのを控えている』(1歳7か月の女の子ママ)

(2)『決められた時間だけ見せる』

前出の通り、ダラダラと長時間テレビの前に座らせないためにも、あらかじめ見る番組を選んだり、視聴時間を決めたりすることは必要なことですね。

中でも、「食事中はテレビを見ない」というママさんが多く、食べるときは、親子で会話をする時間と決めているそうです。

また、東大生3人を育てたという『なぜか3兄弟全員が東大合格!「勉強しろ」と絶対言わない子育て』(講談社)の著者、後藤眞智子さんも、著書の中で「食事中にはテレビをつけない」決まりにして、子どもの話を聞く時間としていたとのこと。テレビの視聴もルールを決めることが大切なようです。

(3)『なるべく戦い(ヒーロー、ヒロイン)ものは見せない』

小児科開業医の集まりである日本小児科医会も、2004年に「子どもとメディア」の問題に対する提言を行っています。その中で、「暴力映像を長時間見ることが、後年の暴力的行動や事件に関係しているのは明らかな事実」とし、保護者と子供で、テレビを含めた「メディアを上手に利用するルール」をつくることなどを指摘しています。

戦いものを見せないというママさんの中には、次のような意見がありました。

『周囲の子供との関わり方が未熟なときに、善悪関係が明らかだとしても、暴力的な行為を正当化してしまうことが恐い』(4歳の女の子ママ)

『もともとうちの子は戦っているシーンを見ると、嫌がる』(3歳の男の子ママ)

『私も小さいころは戦いものを見せてもらえなかったので、見せる必要性を感じない』(2歳の男の子ママ)


いかがでしょうか?

ここで紹介した専門家の調査結果や提言などからは、「見せっぱなし」というテレビの長時間視聴に関しては、未熟な子供の脳には良くはないと感じます。

また、テレビをどんどん見せた方が良いと推奨している、久保田乳幼児教室「くぼたのうけん」を主宰する久保田カヨ子さんも、「テレビを見せることで真似をして脳を刺激されるが、見せっぱなしはダメ。1時間見せたら15分休ませる」と言っています。(『エチカの鏡 ココロにキクTV』フジテレビ系 2009年5月放送)

テレビを視聴する際は、時間を決めるなど親子で「ルールを決める」ことが重要だと思います。

何よりも、お子さんが遊びたがるときは家事の手を休め、親子の関わりを大切にしてくださいね。

【参考リンク・文献】
長時間テレビ視聴が小児の高次認知脳領域の発達性変化……|東北大学
乳幼児のテレビ・ビデオ長時間視聴は危険です|日本小児科学会の提言
・「子どもとメディア」の問題に対する提言|一般社団法人 日本小児科医会
・『なぜか3兄弟全員が東大合格!「勉強しろ」と絶対言わない子育て』(講談社)/後藤眞智子・著

●ライター/KOU(ママライター)

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