「わかった」から「できる」へ、テストでいい点を取る方法
2014年4月3日 | よみもの「わかった」から「できる」へ、テストでいい点を取る方法

【パパからのご相談】
中学1年生の娘がいます。学校の先生との面談でも「真面目でいい子」と言っていただけますし、授業で発言するなど、勉強も頑張っているのですが、テストで点が取れないため、なかなか成績が上がっていきません。通っている塾の先生からも、「授業ではきちんとできているのですが……」と言われ、何がいけないのか、何を直せばいいのかわかりません。
真面目にやっているのになかなか成果が出ない娘がかわいそうです。何かアドバイスをお願いします。
「わかる」だけでは点が取れない。
こんにちは。プロの家庭教師をしております佐々木と申します。
授業ではよくできて優等生なのに、試験になると得点が取れない子はとても多く、実は彼らには共通点があります。
コミュニケーション技法・心理療法技法を中心として作られた心理学である、NLP(Neuro Linguistic Programming)には、学習の5段階レベルという考え方があります。
“自転車の運転”を例に挙げてみましょう。

「学習の5段階レベル」を自転車の運転にたとえてみたら……
(1)無意識的無能(知らないしできない)
自転車の存在をそもそも知らない状態
(2)意識的無能(知っていてもできない)
自転車の存在を知っているが、実際に乗って運転することはできない状態
(3)意識的有能(考えるとできる)
どうすれば曲がれるのか等を考えながら運転している状態
(4)無意識的有能(考えなくてもできる)
何も考えなくても、運転することができる状態
(5)無意識的有能に意識的有能(人に教えられる)
自転車の乗り方を人に教えることができる状態
2段階目の「できない状態」は、周囲からも本人からも一目瞭然なので、しっかり勉強する必要があるのは明白ですね。
注意すべきことは、お子さんが3段階目と4段階目のどちらにいるのかを見極めることです。
3段階目にいる子は、一見勉強がよくできるように見えるので、教える側も教わる本人も「もう大丈夫だよね」と安心しがちです。しかし実は、この状態の子は、「人からのアドバイスやヒントがあるからできているだけ」に過ぎないのです。
試験でいい点を取りたいならば、4段階目を、トップを狙いたいなら5段階目を目指さなければなりません。
学校や塾の授業ではしっかりできているのに、テストになるとできない子や、時間が足りなくなってしまう子というのは、3段階目の“意識的有能”の段階にとどまっている可能性が高いです。
塾や学校では誰かが近くにいますし、答えを調べることも可能。まだ自分の力だけですべてができる状態にないかもしれません。
考えずとも自転車に乗れるようになるには
考えなくても、自転車に乗れるようになるために必要なことは何でしょうか? 自転車に乗れるようになるためには、どんなことをしましたか?
そう、“練習”です。
もしかしたら、お子さんは「困ったら誰かが教えてくれる」と思っている部分が心のどこかにあるのかもしれません。ある程度の理解ができるようになったら、誰も教えてくれない環境を意図的に作ってみましょう。
勉強の仕方にも注意が必要です。実は、多くの問題集は左側のページにヒントが書いてあり、それを見れば問題が解けるような仕組みになっています。そのような問題集では、自分で解く力は身につかないので、試験前はヒントが書いてない問題集を選びましょう。
「わかる」と「できる」は似ているようで違います。
「わかった」だけではテストの得点につながりません。「できる」状態にステップアップするためには、時には地道な練習も必要。ぜひ、お子さんをサポートしてあげてくださいね。
●ライター/佐々木恵(プロ家庭教師)