妊娠中の椎間板ヘルニア等、腰痛トラブルの知識と予防法
2014年3月31日 | よみもの妊娠中の椎間板ヘルニア等、腰痛トラブルの知識と予防法

【女性からのご相談】
現在妊娠19週目のプレママです。先日「腰椎椎間板ヘルニア」と診断を受けました。動くことがままならない状態で出産することが不安でなりません。分娩までの数か月をどのように過ごし出産を迎えたらいいのでしょう。
日々安静に過ごし、腰に負担をかけないようにすれば分娩も大丈夫です。
こんにちは。腰椎椎間板ヘルニアと座骨神経痛、前置胎盤を乗り越えて出産をした桜井涼です。ご相談ありがとうございます。
妊娠中は、トラブルが発生すると、気持ちが不安定になりますし、痛みにも耐えなくてはならないのでプレママは本当に大変です。
私も2人目を妊娠した際に、3か月目に腰椎椎間板ヘルニア、6か月目に前置胎盤の診断を受けました。出産するまで、歩くときはずっと松葉杖を使い、それ以外は寝て過ごしました。もちろん仕事は休職し、家事も寝て出来るものだけしかしませんでした。
今回は、その経験談だけでなく、担当だった産科医と整形外科医の話を総合して、お話させていただきたいと思います。

腰の状態を知る
腰椎椎間板ヘルニアは、背骨にある椎間板という軟骨が飛び出して神経を圧迫してしまう整形外科の分野の病気です。
妊婦さんに腰痛や腰椎椎間板ヘルニアが多くなる原因は3つあります。
(1)体重の変化……羊水や赤ちゃんの分が増えるので、当然腰に負担がきます。
(2)姿勢の変化……前が重くなってしまうので、支えるために反る体勢になってしまいます。
(3)ホルモンによる影響……妊娠3か月位から「リラキシン」という関節を緩める作用をするホルモンが分泌されます。そのため、関節の動く範囲が広がってしまいます。
妊婦の場合は、引っ張ったり(牽引)、痛み止めなどの投薬もほとんどできません。使えるのは湿布くらいですから、横になるなどして楽な体勢でいることが大切です。
私のように無理を続けると、座骨神経痛(座骨神経を圧迫するために起こる症状です)を引き起こし、歩行も困難になりますから、腰に負担をかけないようにし、今の状態を悪化させないことが大事です。
腰痛対策をする
とにかく、腰痛対策を真っ先に行いましょう。安静にすることはもちろんですが、腹帯を巻いて腰とお腹の両方を安定させることが大切です。それと並行して、腰痛対策のストレッチを行ってみましょう。
整形外科や産科でやり方を教えてくれますので、無理のない程度で、出来れば毎日行うようにすると、かなり良くなって動けるようになります。
また、腰を冷やさないようにすることも大切です。温めることで痛みを和らげることができるからです。
体重を増やさない
腰に負担をかけてしまうことの1番が、体重の増加です。
私の時は、動けないのに食事はそのままの量でしたので、18キロも増えてしまい、医師から再三注意を受け、入院して食事制限をする羽目になってしまいました。
こんなことにならないように、運動が出来ない分は食事をバランスの良いものにして、量を少しだけ減らすようにしましょう。この時期は、お腹の赤ちゃんに栄養面で負担をかけるようなダイエットなどはせず、量を少なめにして栄養のあるものを食べるようにします。
一昔前は、母親が子どもの分も食べるような表現を使っていましたが、腰椎椎間板ヘルニアを発症してしまった人は、体重を大幅に増やしてしまうようなことのないように、注意が必要です。
分娩本番は、同じ体勢を取ることになりますので、腰に負担が来てしまいます。
ひどい状態にならないように今から気をつけておけば、普通分娩も可能だと言われています(医師の判断にもよります)。
まずは、整形外科と産科の医師が連携を取れるよう、どちらの科もある大きな病院に通うなどしましょう。あとは安静にすることを中心とした生活を送り、絶対に無理をせず生活をすることが大事です。
ホルモンの分泌を止めることは出来ませんので、その他の部分を少しでも緩和できるように心がけましょう。
私も相当悩んで泣いたりもしましたが、今できる最高の行動を、お腹にいる赤ちゃんのためにしてあげましょう。ポジティブにいることが何よりです。お体を大事にしてくださいね。
●ライター/桜井涼(メンタルケア心理士)