面会交流の取り決めを! 離婚条件に「子どもと一切会わせない」と言われた場合の対処法
2014年3月18日 | よみもの面会交流の取り決めを! 離婚条件に「子どもと一切会わせない」と言われた場合の対処法

【女性からのご相談】
現在、離婚に向けて協議中です。夫に愛想を尽かされて半年前から別居中です。子どもは夫のところにいます。私の育児疲れから、度々家事や育児をさぼるようになり、子どもに当たるようになってしまいました。私自身もどうしたらいいかと悩みましたが、感情的になってしまうこともあり、いい母親、いい妻でいることが難しくなってしまいました。
離婚することがいい決断なのかもわかりませんが、夫は離婚したい意思が強いです。その条件に、離婚したら子どもに一切会わせないとまで言われています。こんな私ですが、子どもに会えないことは辛いです。ですが、母親として失格なので仕方ないこと……どうしていくことが私にとってはいいことでしょうか? たとえ離婚しても、子どもには会いたいと思っています。アドバイスいただけると幸いです。よろしくお願いいたします。
ご相談ありがとうございます。アディーレ法律事務所弁護士の島田さくらです。
私も子どもを育てている母親として思うことは、育児は本当に大変です。子どもへの愛情はもちろんのことありますが、母親も一人の人間ですから、疲れて気持ちが落ち込むことぐらいあって当然です。

愛する子どもに会うのを我慢する必要はありません
あなたが、「夫と子どもとの生活をやり直したい」と思うのであれば、離婚ではなく、「もう一度やり直せないか」ということを夫と話し合うべきでしょうね。もし、夫とふたりで話し合ってもつい感情的になってしまったり、解決策が見出せないという場合には、家庭裁判所に夫婦関係調整(円満)の調停を申し立てることもできます。
調停では、調停委員があなたと夫の考えを個別に聞いたり、調停委員のアドバイスを受けながら今後について考えていくことになります。
あなた自身も、「離婚しかない」と考えているのであれば、離婚に向けて話し合っていくことになります。ただ、子どもに会いたいという気持ちがあるのであれば、面会交流(別居・離婚により離れて暮らす親と子が会うこと)についての取り決めをしておくべきです。
夫が、離婚したいという意思を強く持っていたとしても、あなたが応じない限り、簡単に離婚はできません。「子どもと会えるよう、きちんと取り決めをしない限り、離婚には応じない!」というスタンスで話をすればいいのであり、夫の言いなりになる必要は、全くありません。
面会交流の頻度等については、特に決まりがあるわけではありません。あなたと夫が納得する場所、時間、方法、頻度等を決めることができます。
夫が全く話し合いに応じてくれない場合には、調停で面会交流を含めた離婚条件の話し合いをすることも可能です。あなたが、「子どもを虐待していた」等の事情がない限り、面会交流が全く認められないということはないでしょう。
調停で話し合いがまとまった場合には、面会交流の条件等を記載した調停調書を作成します。後々のトラブルを防ぐため、面会交流の条件はできるだけ細かく定めておいたほうがよいです。
もし、後に夫が面会交流を拒否したような場合には、裁判所に申し出をして、「調停で決まったとおり面会交流をさせるように」との勧告を出してもらうこともできます。
育児疲れで、つい子どもに当たってしまうこともあったでしょう。自分のやってしまったことを率直に反省する姿勢は素晴らしいですが、だからといって、愛する子どもに会うのを我慢する必要はありません。
子どもが困ったときに頼れる大人は、多ければ多いほどよいはずです。大人の事情だけで、子どもが頼りにできる存在を減らしてしまうのは、子どもにとっても良くないと思います。
ご相談者さまにとって良い結果となることを応援しています。