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前期破水によって起こりうる分娩異常とそのリスク3つ

前期破水によって起こりうる分娩異常とそのリスク3つ

【女性からのご相談】
予定日を1か月後に控えた妊婦です。助産師さんから、病院に連絡するタイミングが書かれたパンフレットをもらいました。そこには、「破水したらすぐに来院して下さい」と書いてあります。でも、私の姉は、破水してから産まれるまで4日間もかかったそうで、そんなに長く入院したくありません。どうしても連絡しなくてはならないものでしょうか?

a 破水が原因で起こりえる異常はいろいろあります。

破水とは、赤ちゃんを包んでいる卵膜と羊膜(実際にはぴったりくっついて一枚の膜のように見えます)が何らかの原因で破れて、中にある羊水(赤ちゃんが浮かんでいる液体)が子宮及び膣から漏れ出ることを言います。

通常であれば、破水は陣痛が始まってから起こるのが望ましいですが、時には陣痛前に起こってしまうこともあります。この、陣痛前に起こってしまう破水のことを「前期破水」と呼んでいます。

破水は、水風船が割れるようにパシャッとわかりやすく起こることもあれば、じわじわと少しずつ漏れ出すような、尿漏れとの区別がつきにくいものもあります。色は通常ほぼ透明で、無臭です。

万が一、破水したときの羊水の色が緑色だった場合は、大至急病院に行く必要があります。これは、赤ちゃんが子宮内で胎便(胎児がする便)を排出してしまっている証拠で、場合によっては赤ちゃんがストレスを感じていることがあるからです。

今日は、この前期破水によって起こりえる分娩異常についてお話しします。

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(1)臍帯脱出

破水の際に起こりえる、最も危険な合併症です。非常に稀ですが、逆子や、小さめの赤ちゃんの時にはリスクが上がります。

これは、破水で羊水が流れ出た際、その勢いで臍帯(へその緒)が子宮口の外に出てしまう現象です。これが起こると、臍帯の血流が妨げられ、胎児が酸素不足に陥ります。大至急帝王切開が必要です。

(2)胎児の感染症

赤ちゃんを包んでいる膜の最大の役割は、赤ちゃんを外の世界から守ることです。この膜の中にいる以上、赤ちゃんは外界の細菌やウィルスから守られています(臍帯血を介しての母児感染は別ですが、これについてはまたの機会にお話しします)。

破水の際にはその膜が破れてしまうわけですから、外界とのつながりができて、感染のリスクが上がります。

イギリスで行われた研究によれば、破水から分娩までの時間が長くなればなるほど、胎児の感染リスクが上がることがわかっています。ですから、破水後24時間以内に分娩に至らない場合は、母体に抗生物質を点滴したり、陣痛を誘発したりなどの処置がとられます。

(3)胎児のストレス

羊水は、常に羊膜から分泌され続けていますし、破水したからといって空っぽになるようなことはありません。ですが、もともとの羊水の量が少な目だったり、あるいは赤ちゃんがすでに何らかのストレスを感じているような場合では、羊水が減ることによって赤ちゃんに更なるストレスがかかる場合もあります。

特に陣痛が始まると、羊水は、赤ちゃんを子宮の壁から守るクッションの役目を果たします。羊水の量が減ることによって、陣痛による子宮収縮がより直接的に赤ちゃんを圧迫し、赤ちゃん体力消耗につながる場合があるのです。


いずれにしても、「破水かな」と思ったら、まずは病院に行って検査をしてもらうことが大切です。赤ちゃんの健康状態を診てもらって、それからその後のプランを医師と相談しましょう。

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