妊娠中に不足しがちな“亜鉛”の摂り方
2014年2月4日 | よみもの妊娠中に不足しがちな“亜鉛”の摂り方

【ママからのご相談】
先日妊娠が分かり、主人と大喜びしたのもつかの間、つわりが始まってしまいました。主人は、「早すぎじゃない?」とか、「気分的なもんなんじゃ?」と分かってくれません。食事のバランスには以前から気を付けているのですが、妊娠中不足しやすい栄養素とかありますか?
あと、今までなかった便秘や、これは気のせいかもしれないけど、口の中が鉄っぽい? 味がして気持ち悪いような気がします。
鉄っぽい味の原因は亜鉛不足。
こんにちは。心理食育インストラクターのSAYURIです。
前回の『つわりの時、栄養不足にならないために摂取したい食品4つ』に引き続き、つわりの症状とその原因についてお話させて頂きます。
前回は、便秘とマグネシウムについてお話しさせて頂きましたが、今回は、「妊娠してから口の中が鉄っぽい味がするのは何故?」について、ひも解いていきましょう。

「口の中が鉄っぽい味がする」その原因は亜鉛の不足である可能性が大
“亜鉛”は、私達の体の中でタンパク質の合成・免疫システムへの関与・ホルモン分泌の調節など、酵素の働きによる様々な代謝に関係しています。120種以上の構成成分であり、300種以上の酵素を助けています。その為、亜鉛が不足すると、この「鉄っぽい味」の他にもこんな症状が出る事もあります。
・爪に白い点ができた
・暗い場所や夜中に目が見え難い
・抜け毛、脱毛が気になる
・傷の治りが遅い
・皮膚炎
・食欲不振、下痢
亜鉛は、胎児の中枢神経系の発達に必要な為、妊娠中に約30%、産後の授乳期間中も約40%、必要摂取量が増えます。また、様々な代謝の過程において不可欠で、皮膚や髪、骨の正常な成長や、健康的な免疫系、ケガの修復、流産の防止などにも役立ちます。
また、女性が聞くだけでトキメク? コラーゲンの再合成にもビタミンCとともに欠かせないのが亜鉛です。
逆に、妊娠中に亜鉛が不足すると、胎児の成長の遅れや早産、低出生体重児に繋がるかもしれません。
亜鉛を摂るポイント
亜鉛と鉄、そして銅は、10:10:1の割合で摂るのがいい、と言われています。そのため、妊娠中だからとか貧血だからという理由で摂っている鉄のサプリも、過剰摂取は亜鉛欠乏に繋がり、「口の中が鉄っぽい味がする」原因となる可能性があります。
逆に、亜鉛の過剰摂取は鉄の欠乏につながってしまうので、サプリメント等で摂取する場合は、過剰摂取に注意しなければなりません。
亜鉛の吸収を妨げるもの
・お茶/コーヒー/アルコール
・鉄の錠剤/避妊ピル
・甘いものの過剰摂取
……等。
亜鉛を多く含む食べ物
・牡蠣等貝類/数の子等の魚卵/エビ/卵黄/牛肉
・牛乳
・豆類/トウモロコシ
・生姜/カブ
・ジャガイモ
・アーモンド/ごま
……等。
中でも、牡蠣は亜鉛がとても豊富に含まれているので、寒いこの時期なら「牡蠣とかぶのミルクスープ」等が美味しく頂けますが、吐き気がひどく貝類生臭くて無理! という事であれば、今が旬の「カブの千枚漬け」や「酢の物」や、寿司飯に胡麻と甘酢につけた生姜(がり)を混ぜたものを卓球の玉くらいに丸めておいて、気が向いた時に少しつまんだり、体を温める効果もある生姜を上手く利用するのもいいでしょう。
【関連コラム】
・(前編)つわりの時、栄養不足にならないために摂取したい食品4つ
●ライター/SAYURI(心理食育インストラクター)