“外発的動機づけ”では子供の心が成長しにくいワケ
2014年1月31日 | よみもの“外発的動機づけ”では子供の心が成長しにくいワケ

【ママからのご相談】
ママ友同士で話していると、どうやって子どもを頑張らせるか、諦めさせるか、という話に最近なってきます。あまりよくないって言われるけど、やっぱり“物”で釣るのが一番早くて、そうやってしまうことも……。やっぱりよくない……?
こんにちは。Tomokoです。
子どもを頑張らせるのに手っ取り早いのは、やっぱり物で釣ること……だったりしますよね。あとは、お父さんから怒られるよー……などなど。お母さん方と話していると、「だめってわかってるんですけどねー……。どうしても使っちゃうんですよね」と苦笑い。
さて、今日は、『動機づけ』という言葉についてお話したいと思います。動機づけとは、行動を起こすためのモチベーションになるもののことです。
この動機づけには2つの種類があって、「外発的動機づけ」と「内発的動機づけ」というものがあります。

「外発的動機づけ」と「内発的動機づけ」
何か買ってもらうことで頑張ったり、怒られたりすることから逃げるために何かを行うことを、「外発的動機づけ」といいます。
そういった報酬がもらえなくても、自分の中で頑張ってみよう、やってみたいという気持ちで行動することを、「内発的動機づけ」といいます。
外発的動機づけは、どうしてもその場に対処するためのものになってしまうので、成長にはつながりにくい、ということが一般的には言われています。確かに、ごほうびのためや、怒られないためだけに常に行動している子の心の成長は、なかなか難しそうですよね。なので、やっぱり内発的動機づけを高めていって、“自分から学ぼう”という意欲を持って行動する方が、望ましいという考え方が広がっています。
そして、ご褒美などの報酬(つまり、外発的動機づけ)をあげすぎるとよくない、という研究があります。Deciや、Greeneといった研究者が行った研究なのですが、『本当はその活動がおもしろくてやっているのに、そこに報酬が与えられると、もとからあったその活動がおもしろいという気持ちは半減してしまう。そして、報酬のためにそれをしている気持ちになって、それを自分から進んではしようとはしなくなる』というものです。
つまり、ご褒美が、本人の「自分で頑張ってみたい」「できることを増やしたい」という本人の中から出てくる大事な気持ちを摘み取ってしまう……ということなんですよね。
もちろん、外発的動機づけが全く悪いというわけではありません。2つをうまく使うことが大切だ、といっている専門家もいます。実際、ご褒美がもらえるから、とか、怒られないように……と考えることで頑張れることも、多いですよね。
ただ、ご褒美をあげればあげるほど子どもは頑張る、とか、良い方向にのびる……というものではないみたいです。
次回は、内発的動機づけを高める方法について、書いてみたいと思います。
【関連コラム】
・(後編)“内発的動機づけ”を活用したやる気UP子育て方法
●ライター/Tomoko(心理カウンセラー)