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残された遺族のために! 相続トラブルを防ぐ“遺言書”の作成方法

残された遺族のために! 相続トラブルを防ぐ“遺言書”の作成方法

【女性からのご相談】
友人の父が亡くなったのですが、突然のことだったので遺言書もなく、その友人の残された家族含め、今後どのように手続きを進めたらいいかわからないとのことです。こういった状況にならないためにも、ちゃんとした遺言書の残し方を知りたいなと思います。ぜひ、教えてください。


ご相談ありがとうございます。アディーレ法律事務所弁護士の篠田恵里香です。

相続をめぐる親族間のトラブルは絶えませんね。故人にとっても遺族にとっても、遺言書をしっかり残しておくことは、後のトラブル防止のためにとても重要です。

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遺言書とは

遺言書とは、「自分が死んだら遺産を誰に相続させるか」を書き残す文書をいいます。書き方として、例えば、「~は、……に相続させる」と列挙するか、「すべての財産を~~に相続させる」と記載するのが一般的です。ただ、遺留分という制度により、遺言書の記載に関わらず、遺産の一部は本来の法定相続人が取得する可能性があります。また、遺言書に、「家族への感謝の気持ち」などを記載することもできます。

遺言の方式は主に2種類あります。1つは、自分で遺言書を作成し、そこに署名・押印をして封をし、しまっておく「自筆証書遺言」という方式です。自筆証書遺言は、費用もかからず簡単に作成できるというメリットがありますが、家庭裁判所の検認が必要で、形式不備や内容不明確を理由に遺言の効力・内容が争われることがある他、偽造・紛失のおそれがある等のデメリットもあります。

もうひとつは、公証役場で証人2人の立会いの下、遺言書を作成する「公正証書遺言」という方式です。公正証書遺言は、若干の費用がかかり、証人2人が必要となる点がありますが、「公に証明された遺言(公証役場に保管される)」である以上、遺言の効力はほぼ絶対的です。紛失や偽造のおそれも少なく、その内容や効力も原則争えないこととなります。トラブルを防ぐ上では、公正証書遺言の方が望ましいといえます。

遺言書作成のルール

合わせて、遺言作成のルールもここで覚えておきましょう。自筆証書遺言は、書式や筆記用具等に特に決まりはありませんが、

(1)遺言者による自署
(2)作成年月日の明記
(3)遺言者の署名押印

が必要です。このうちひとつでも欠けると遺言が無効となります。また、日本では動物は権利の主体となれませんので、飼っているペットに遺産を相続させる、という遺言は無効です。ビデオムービーで遺言を残した場合、「本人が動画で話しているので内容が明確」に思えるかもしれませんが、法律上は「改ざんのおそれあり」という理由で、遺言は無効となります。同じ理由でワープロも不可なのです。

また、遺言書が何通もあった場合、そのうち最も新しいものが故人の遺志として尊重されます。内容が抵触する部分は後の遺言書により撤回・変更したものとされますので、例えば、(ないとは思いますが……)財産がたくさんあるであろう社長さんが、愛人に無理やり遺言書を書かされたなど、自分の意思に反して遺言書を書かされたような場合には、改めて、真意をしたためた遺言書を作ればいいことになります。


相続トラブルは、血のつながった親族同士でも泥沼の争いになるものです。残される遺族のために、遺言書は公正証書遺言でしっかり作成しておきましょう。

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●ライター/篠田恵里香(アディーレ法律事務所:東京弁護士会所属)

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