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出産の病院選び、5つの選択肢のメリット・デメリット

出産の病院選び、5つの選択肢のメリット・デメリット

【女性からのご相談】
先日、妊娠検査薬で陽性が出ました。なかなかできないかもしれないと思い、結婚してすぐに子づくりを始めたところ、意外にも、たったの2か月で妊娠しました。もちろん嬉しいのですが、初めてのことで不安も多いです。近隣の産婦人科もまだ調べていませんし、テレビなどで助産院の方が自然で良いというような話も聞きます。

一体、何を基準に出産施設を選んだら良いのでしょうか?


ご妊娠おめでとうございます。なかなか恵まれない人も多い中、とても幸運なことですね。

確かに、出産施設については、病院が良いのか助産院がいいのか、病院で産むにしてもどんな病院がいいのか、悩むところです。

そこで今日は、それぞれの施設のメリットとデメリットについてお話しします。

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(1)大学病院などの大きな病院

大病院、特にNICU(新生児の集中治療室)が入っている病院は、やはり一番安全な施設と言えるでしょう。たとえ、順調な妊娠であったとしても、お産というのは命がけ。何が起こるかわかりません。

急な帝王切開に対応でき、しかも、赤ちゃんのケアも万全に行うことのできる大病院は、合併症をお持ちの妊婦さんにはもちろん、すべての妊婦さんに取って一番安全な施設です。

その一方、大病院ならではのデメリットもあります。医師や助産師の数が多く、毎回担当者が変わるため、信頼関係が築きにくい場合があります。また、多くの場合は教育病院の指定を受けているため、医学生や、助産学生の立ち会いが多く、落ち着かない、入院時は大部屋になることが多い、なども挙げられます。

(2)小規模な産婦人科病院、産院

小規模な病院であっても、ほとんどの場合は帝王切開にも対応しています。

少子化が進む現在、どこも工夫を凝らして妊婦さんの獲得を試みていますから、充実したサービスを受けられるところが多いでしょう。

部屋は個室が多いですし、LDRと言って、陣痛から出産後まですべて同室で行えるところも増えています。食事も充実していることが多いようです。

欠点としては、大病院と比較して、緊急帝王切開の対応が不十分であることです。例えば大学病院では、手術室スタッフが24時間勤務しているのに比べ、小規模な病院では、呼び出し制になっていることが多いからです。

また、たとえ小児科を併設しているとしても、出生直後の新生児の治療は困難なため、何かあった場合は、大病院に搬送されることになります。この場合、産後のお母さんは一緒に転院できないことが多く、産まれてすぐに離ればなれになってしまいます。

(3)助産院

病院との決定的な違いは、医師がいないということです。

もともと日本では、お産は産婆の仕事として、経験豊富な女性に任されてきました。日本の助産師は、産婆の流れを汲んでいると言えるでしょう。

助産院の良いところは、数名の助産師しかいないため、アットホームな雰囲気で信頼関係を築きやすいこと、自由なスタイルでのお産が可能で、自然なお産ができることです。

また、上のお子さんやご主人も一緒に宿泊できるところが多いので、家族でお産を乗り切りたい人には向いているかもしれません。

一方、欠点としては、医療行為が受けられないことです。

帝王切開はおろか、会陰切開(赤ちゃんがなかなか出て来ない場合に、膣口を少し切って赤ちゃんの頭を出す処置)、その後の縫合、点滴、注射など、通常、病院ならば当たり前に受けられる医療が、ここでは受けられません。

必ず連携病院がありますが、この連携病院は必ずしも産婦人科を併設しているわけではなく、多くは名前だけのもので、助産院の安全性を保証するものではありません。

(4)院内助産院(バースセンター)

これは、助産院のように自然なお産を推奨しながら、施設自体は病院内にあるという、新しいスタイルの助産院です。

大きな利点は、従来の助産院に比べ格段に安全性が高いことです。緊急帝王切開も受けられます。

バースセンターが一般的に定着しているイギリスで、2012年に大規模なリサーチが行われました。これにより、バースセンターと病院では、母子の死亡率に変わりがないことがわかりました。

一方、欠点としては、病院内にあるために、一般の助産院と比べると医師の介入が容易なため、何が何でも自然な分娩がしたい、と言う人には不向きかもしれません。

(5)自宅分娩

これは通常、助産院の助産師が自宅に来て分娩を介助する方法を指します。

大きな利点は、自宅なのでリラックスした環境でお産ができること、産後の入院が必要ないことです。

反対に、大きな欠点もあります。それは、病院でのお産に比べ、母子の死亡率が高いことです。

これは、先ほども触れたイギリスでのリサーチによって証明されています。


あまり、心配しすぎるのも問題ですが、「自分だけは安全に産めるはず」と過信するのもいけません。よく考えて、後悔しない施設選びができるといいですね。

【参考リンク】
初めての産婦人科選び | ユニチャーム

【関連コラム】
知っておきたい自宅出産や助産所出産の危険性4つ

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