給与所得の“源泉徴収票”の見方
2014年1月10日 | よみもの給与所得の“源泉徴収票”の見方

【男性からのご相談】
12月の給与明細に、「給与所得の源泉徴収票』という小さな紙が入っていました。毎年目にするこの紙、何が書いてあるのかよく分かっていません。
中学生になる我が子に説明するように、僕に説明してください。大人として知っておきたいです。
「年収と所得は違う?」源泉徴収票の見方のおさらい
ご質問ありがとうございます。ファイナンシャルプランナーの木村由香里です。
まず最初に、源泉徴収票に書かれていることは何かをざっと説明しますね。

日本では、いろいろな収入に対して税金が掛かります
サラリーマンやアルバイトなど給料をもらう立場の人は、給料に対して所得税という税金が掛かります。その所得税に関する情報が書かれているのが、源泉徴収票です。
「いくらお給料をもらったか」「税金の計算から外していい条件は何か」など、所得税額を算出するのに必要な情報がその小さな紙に記載されています。情報満載なので、とっても読みづらいのです。
源泉徴収票の税込み年収欄はココ
(1)支払金額
会社から支払われるお給料とボーナスの総額です。いわゆる税込み年収になります。副業などで他に収入が無いなら、1月1日から12月31日までの1年間の総収入額です。
会社員でも経費が認められている
(2)給与所得控除後の金額((1)ー 給与所得控除額)
会社員やアルバイトでお給料を貰う立場の人でも、経費が認められています。経費とは、その収入を得るために使ったお金のことです。
八百屋さんを例にしてみましょう
市場で仕入れた野菜や果物・お店の家賃・水道光熱費・チラシの制作費など、野菜を売るために掛かった費用は、税金の計算から除いてよいことになっています。それが、商売をする上で必要な経費だからです。
八百屋さんは自営業なので、自分で税金の計算をし、確定申告をして所得税を納めます。
会社員の場合、八百屋さんのように領収書から1つずつ計算していくのではなく、「これぐらいの給料なら掛かる経費はこれぐらいだろう」と大雑把に計算されます。
例えば、年収400万円なら所得控除額(経費)の計算は次のようになります。
4,000,000円×20%+540,000円=1,340,000円
税込み年収400万円からこの所得控除額134万円を引いた266万円が、(2)の『給与所得控除後の金額』になります。
こうして見てみると、会社員でも結構な額が経費として認められていると思いませんか? 自営業の立場の方からすると、会社員のこの領収書が無くても無条件に引かれる所得控除額が羨ましいらしいですよ。
税込み年収と所得の違い
(3)所得控除の額の合計額((5)(6)(7)の合計額)
さらに、税金の計算から除外できる金額の合計額になります。
(1)の税込み年収から、会社員の経費にあたる『給与所得控除額』を引くと、(2)の金額になります。(2)の給与所得控除後の金額から、(3)の所得控除の額の合計額を引くと、『所得』という税金を計算する上でのベースとなる金額が算出されます。
会社員の節税対策の1つは、いかにこの(3)の金額を増やし、所得を減らすかということがポイントになります。
続いて、(3)の税金の計算から除外される項目について、節税対策も合わせて詳しくお話ししていきます。
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【参考リンク】
・所得税|タックスアンサー|国税庁
●ライター/木村由香里(ファイナンシャルプランナー)